ドクツルタケ | 三十九さんの部屋

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ドクツルタケ(毒鶴茸) Amanita virosa

担子菌門ハラタケ亜門ハラタケ綱ハラタケ亜綱ハラタケ目テングタケ科テングタケ属
amanita アマニタ(トルコ南部のテングタケの多い山)
virosa ウィロサ(毒の)

ちょっときのこのことを知った人間なら一度はその名を聞いたことのある、最強毒きのこのひとつ。

夏~秋、針葉樹や広葉樹林地上に発生。
全体が白色。
カサは表面平滑で、周辺部に条線はない。
柄には膜質のツバがつき、ささくれ状になる。
根元には袋状のツボがある。
5パーセント程度の濃度のKOH液体を付けると黄色く変色する。

家の光協会発行「カラー版きのこ図鑑」では、美しいコケの上に純白のみごとなドクツルタケがそそり立つビジュアルが掲載されている。この写真は信州のあるキャンプ場で撮影されたもの。なつかしい思い出だが、きのこ写真の先駆者である伊沢氏らときのこ団体合宿に参加したときのこと、あるキャンプ場できのこ探しと撮影をしていたのだが、キャンプ場内のバンガロー付近には数十本にも及ぶベニテングタケが林立していた。それらは高床式のバンガローの床下にまで発生していたような状態だった。そこで写真にある見事なドクツルタケが見つかり、伊沢氏が撮影していた。すると、場内アナウンスで敷地から立ち退くよう女性の声で警告されてしまった。という思い出がよみがえる。

そんな話より、このドクツルタケは1本でも大人一人の致死量ともいわれるほどの強力さで、もし食べてしまうと、最初は下痢のような食中毒の症状が発症するが、やがて収まり、それから1週間ほどして急に容態が悪化し、死に至ることもあるという。
含まれている毒成分は、肝臓や腎臓を破壊してしまうため、多臓器不全を起こして死亡するのだという。こんなきのこだが、不思議と食べて中毒してしまう人がいる。おいしそうに見えるのだろうか。ベニテングタケも実際に食べるとうまいというが、これもそうなのか?

こういう形の白いきのこは多数存在する。同じく全体が純白で柄にささくれがないシロタマゴテングタケ、同じテングタケ属でシロテングタケ、シロツルタケ、タマゴタケ白色型などがある。さらにウラベニガサ科のシロフクロタケ、ハラタケ科のシロオオハラタケなどがある。これらはヒダ(胞子)の色で区別できる場合があるが、未熟な場合はヒダも白い。
こういうタイプのきのこは食べないほうがいい。

従来「ドクツルタケ」と呼ばれていたものには複数種含まれているらしい。カサの中央部が赤茶色を帯びているものは「アケボノドクツルタケ」とか「ヒノマルドクツルタケ」などと呼ばれている。