こんのすけが持ってきたその知らせにより、僕の本丸生活終了が確定した。


近侍の薬研が、二人して顔を見合わせる。


近侍二人体制を敷いている。

一人は僕の初鍛刀の薬研。

もう一人は、この本丸の元の審神者の初鍛刀の薬研。


ここは引継ぎ本丸。

僕は本丸を引継いだ方の審神者である。


元の審神者は、交通事故で植物状態になってしまったらしい。

意識はないものの生存しており、刀剣男士達への霊力の供給は途絶えなかった。

その為、本丸解体はなされず、優秀な本丸だった事もあり引継ぎが行われたのだった。


僕が審神者になってもうすぐ一年。

そんな折、元の審神者が意識を取り戻したらしい。

大変に喜ばしい事である。


そして、少し・・・少しどころではなく、

寂しい事でもあった。


元の審神者の容体が良くなれば帰任してもらう。

そういう条件だった。

僕のここでの本丸生活は終わりを告げた。


「なぁ、大将。そんな顔するなよ」

「あぁ。すぐに どうこうという話にはなるまいさ。気合入れていこうや」


二人の薬研が声を掛けてくれる。

どんな状況でも冷静で普段通りの彼らに、少し気が紛れる思いだった。


「まぁ、しかし、そうだな。もう夜も遅い。大将、今日は何も考えずに寝る事だ」

元の審神者の薬研が勧めてくる。

「じゃ、俺は布団を敷こうか。大将は机の上でも片付けといてくれ」


あっという間に寝る準備が整った。

僕は、あったかいお茶を頂いて、そのまますぐに就寝した。

部屋の明かりが落とされても、不思議と不安にはならなかった。