俺は、刀剣乱舞アプリをケータイにダウンロードした。
IDを入力してゲームを始めた俺は、目の前に平家の武家屋敷があるのに気付いた。

友人の言っていた本丸?というやつか。
プレイヤーはその城?本丸?を率いるトップで、確か『さにわ』とかいう役割を持っていた筈だ。
IDを引き継いだから、俺がトップで『さにわ』という事で良いのか?

その辺りと、そもそも『さにわ』が何なのかも分からなかったが、取り敢えず俺はその日本家屋に立ち入った。

???「戻ってきたな?。さあて、何から再開する?」

縁側に胡座をかいて座っていた少年が立ち上がり、声を掛けてきた。
ゲームキャラと話しが出来ることに驚き、また少し心が踊った。新しい何かが始まる予感がしたのだ。

が、しかし、相手はすぐに2、3歩距離を取った。
腰を落として こちらに問う。

???「あんた、大将じゃないな?。どうやってここに入った?。新手の遡行軍か?」

少年の声は剣呑な響きをたたえていた。
いつの間にか短刀を握っており、刃をこちらに向けている。
俺は驚いて、2、3歩後ずさった。

相手も同じ間隔を前に進み、間を詰めてくる。

「あ、怪しい者じゃないよっ!。俺、俺はっ、友人の代理としてここに来ただけだ!!」
すまん、それを仕舞ってくれ!、刃物を向けられるのは流石に怖い!!

恥も外聞もなく叫ぶと、相手は油断なく短刀を鞘に収めた。が、警戒は解かず、低い姿勢から じっとりとこちらを睨め上げたままだ。

???「大将の友人である事を、どう証明する?。・・・して、大将は今、どうしてる?」

友人の証をすぐに出せる訳でもなく(そもそもどう証明するのだ?)、まさか他のゲームに心変わりしたとも言えず、俺は無言でいる他なかった。

??2「おい、薬研。その方からは敵意を感じないぞ。少し、話を聞こうじゃないか」

廊下の向こう側から一人の男が現れた。
(話が分かりそうな人がいて助かった!)
そう安堵したのは一瞬だった。穏やかな言葉とは裏腹に、その眼光は鋭い。
話を聞いてくれるというよりは、場合によっては容赦しないという感じだった。

??3「長谷部くん、何か怖いですよ。驚いていらっしゃるじゃないですか。ささ、お茶を淹れますから、どうぞお上りください」

眼光鋭い男の後ろから、雅やかな感じのおっとりとした男の人が出てきて、長谷部という眼光男を諌める。

本当に話を分かってくれそうな人がいて助かった。

おっとり雅さんが手招いた。
俺は渋々警戒を解いた短刀の少年の脇を恐々と通り、眼光男の目線を避けて、おっとり雅さんに近付いた。
そのおっとり雅さんの背が思ったよりも高くて、それはそれで驚いた。

??3「ささ、こちらにお座りください。あぁ、鶯丸、お茶を有難う」

俺は大きな部屋に通され、ここの住人?(刀剣男士という人たちか?)と対峙するように座らされた。

代表のような おっとり雅さんは、名を石切丸といった。
最初に俺に声を掛けた少年は薬研藤四郎、眼光の鋭い男は へし切長谷部、いつの間にかお茶を用意してくれていた細身の男は鶯丸。
次々に自己紹介をしてくれたが、一度に覚え切れる自信はなかった。

俺は、ここの主?の友人で、彼は事情があってここには来られなくなってしまった事を伝えた。

正直、伝える事などほぼ無い。
俺がIDを引き継いだ 。
以上。
終わり。

当然彼らにIDとは何かと聞かれたが、主としての証?としか俺は答えられなかった。
それを友人から継承した、だから、俺はここの主となる。
それではいけないのか。

逆に俺から代表さん(石切丸)に聞いてみた。

??4「そうですか、一度政府に確認を取ってみます」