外から物音がした。
そろそろ帰ってくる時間か。
和泉守兼定が本日修行から帰って来るのだ。
月明かりの煌々と照る深夜。
審神者の自分は、彼を出迎えるために立ち上がった。
短刀たちは自分達も待ちたい!と駄々をこねたが、眠気に負けてこの部屋で寝落ちしてしまった。燭台切光忠や歌仙兼定らが彼らを部屋に運んでやったが、共にいた御手杵も寝落ちしてしまったのには参った。
一緒に待っていた堀川国広は、今では本丸の外で待っているようだった。彼は夕方からずっとそわそわしていて、大分前に部屋からいなくなっている。
自分が玄関に着く頃に、堀川に導かれた和泉守兼定も到着したようだ。
月明かりを背負って、その影が扉から透かして見える。
堀川が扉を開けると、修行から帰ってきた和泉守兼定の姿が見えた。
ヨレヨレに疲れ切っているようだが、目は光を称えている。
やり切った充実感をみなぎらせているというのか、背負う気配は軽やかだった。
自分は上がり框に膝をつき、正座して彼を出迎えた。
「よう、主。今帰った」
短い挨拶だった。
和泉守らしさは健在で、自分は両の口の端を上げた。
本当は沢山の声掛けをして労をねぎらいたかったのだが、その必要はなさそうだった。
堀川が荷物を持ったり、履物を脱がせたりと甲斐甲斐しく世話をしている。
自分の出る幕でもないだろう。
堀川は、誰かが用意しておいた水桶で和泉守の足を洗ったりしてやっている。自分は飲み物を差し出してやった。
先日現実世界で貰った梅を使った飲み物だった。
あまり体を冷やすのも良くないだろうから、ぬるくはない程度に冷えたものを用意しておいたのだ。
「おぉ、うめぇなコレ」
礼を言いつつ飲む和泉守に、それは堀川に用意してやってほしいと頼まれたものだと伝えてやった。
もらった梅ジュースの原液は、現実世界ではあまり需要がない。とても美味しいのだが、“水を足す”という一手間が面倒臭いらしく、なかなか減らない。自分だけ飲んで、毎年一年かけてゆっくり消費していくのだ。
無農薬の梅を使っているので、市販のジュースより余程安心して飲めると思うのだが。
なので、本丸でおやつに振舞ったら皆が喜ぶだろうと持ってきておいたのだった。
梅のクエン酸は疲労回復を助けるし、夏バテ防止にもなる。
そんな事を堀川に話したのだろうか、彼は兼さんが帰ってきたら飲ませてあげたいと言っていたのだった。
「おぉ、そうか。国広、ありがとな」
ニッコリ微笑んで堀川の頭に手をやる和泉守に、堀川も嬉しそうな笑顔を向けていた。
🌾そして妄想は終わります🌾
その後、鶯丸はあったかいお茶を飲ませてあげてました。
冷ための甘いもん飲んで、足も水で洗っているから、今度はあったかいお茶で心を落ち着けて下さい、という事だった。
ほっこり落ち着いた兼さんは、そのままふわふわと寝てしまったので、その場にいた燭台切さんや之定さん、鶯丸さんや江雪さんで わっしょいしてお部屋に運びました。
堀川国広くんは荷物を整理して運んでました。
多分、その後彼らは装束を脱がせて、寝間着を着せて、寝かせてると思います。
本日、兼さんがいつも通り寝坊して、起きた時には短刀達に囲まれて歓迎された模様です。
極になった石切丸さんがニコニコ座ってその様子を見ていたそうです。
本日も、我が本丸はとても平和です(^^)
