主に頼まれて、萬屋にやっきてたんだが。
そこで最近近くに出来た本丸の『和泉守兼定』に会った。
我ながら、あぁ、自分でもねぇんだが、カッコいいやつだと思う。
あちらさんもコッチを見てそう思ったらしく、笑いながら片手を高く上げたから、ハイタッチに付き合ってやった。
手が離れる瞬間、俺はそいつの手を掴んでやった。
驚いたお隣の『和泉守兼定』は一歩足を引いたが、俺のレベルは極にゃなっちゃいないが、ほぼてっぺんまで行っている。最近出来た本丸の新人『和泉守兼定』に負けるはずもねぇ。そのまま腕を引っ張っりつつ、萬屋の外にある休憩用の椅子に座らせてやった。驚くそいつの隣に俺も腰掛ける。
「店主!。すまねぇが、こっちに茶と一口団子を2人前持ってきてくれねぇかな?」
あいよーと、奥の方からご主人の威勢の良い声が響く。驚いたままこっちを向く俺と同じ姿の相手に、俺はニヤッと笑いかけた。
「心配するな、俺の奢りだぜ」
俺は、前から他の本丸の様子が気になっていたんだ。うちんとこの主は他んトコの審神者と比べて遜色ないのだろうか。
熱心に審神者業に取り組んでいるかと思えば、短刀達とだらだらと楽しそうに話をしたりしている。
その割に、遠征へは休みなく・代わる代わる刀剣男士達を送り出している。
かと思えば、花を見に散歩に出掛けたり(ふらっといなくなるもんだから、短刀達が心配する)、時として縁側で昼寝をしていたり変な笛の練習をしたりしている。
馬の世話や畑作業も割とやる。刀剣男士達の服の繕いものとかもやってくれているようだ。
要するに、働き者のか怠け者なのか、全く分からねぇんだ。真面目な時は重箱の隅をつつく感じで細かいのに、興味のないことにはザルのような対応もする。
見ていて掴み所のない審神者だと思うのだ。
先日などは、急に「自分も殺陣をやりたい」とか言い出して、真剣を持ち出すものだから(2代目が自分の刀を振るわれてビビっていた)、鍛錬に来ていた他の刀剣男士達に速攻で道場外へと連れ去られたりしていた。
審神者とは。
そういう存在なのか?
うちの本丸の審神者が少し変わっているのか??
気になっていたから 他の本丸の者に聞いてみたかったのだ。『お前の本丸の審神者氏はどんな感じなんだ?』と。
運ばれてきた一口団子は、口に入れて、歯にしみるほど甘ったるいのを思い出した。
隣の本丸の『和泉守兼定』も何杯もお茶を飲みまくっている。
甘さがひと段落して、隣のはようやく話し出した。
お隣の『和泉守兼定』の本丸は、男性の審神者が務めているだという。冷静沈着な方で、計画通りにキチンと任務をこなし、刀剣男士育成の効率も良いらしい。
ただ、審神者氏本人の実生活が忙しいらしく、本丸に来ない日が何日も続くこともあるそうだった。
短刀たちは打ち解けられない感じがすると言って寂しがる者もいるそうだが、聞いている感覚では、全体的にすまぁとな本丸だという印象を受ける。
「ついでに聞くがよ。お前、“あいす”って知ってるか?。平たくて小さな棒に刺さった冷たくて甘い氷菓子でな。この間、うちんとこの審神者氏が、うちの本丸にいる刀剣男士全員に振舞ってくれたんだが」
何でも、今『特定の条件下で鍛刀をすれば、特別な刀剣男士が現れる事がある』という期間なのだそうだ。
そうそう多くもない資源と数枚のお札を駆使して、レベルの高い男士や運の良さそうな男士、謂れのありそうな男士を次から次へと近侍にし、うちの主は片っ端から鍛刀をしたそうなのだが、結局の所は資源を使い果たし、ついにはその特別な刀剣男士は来なかったという事だ。
その爆死記念??とか言っていたか?、本丸にいた刀剣男士達への厄払いという事で、本丸にいる全員に、審神者氏の住む時代の“あいす”なる氷菓子を振舞ってくれたのだ。
度重なる遠征や、通常調査の繰り返しも同時に行なっているため、その慰労という意味もある、という事だった。
まぁ、うちの本丸には現在60振以上の刀剣男士が居るため、あいすという氷菓子が幾らなのかは知らないが、それなりの金額にもなるだろう。
まだ特別な男士が鍛刀出来る期間中なら、その振舞った氷菓子の代金を使って、富士札や梅札、資源を買って鍛刀をすれば良かったのに、と言ってやったら、あーそうだったかも しまったなぁ〜とか言って、頭を掻いて笑っていた。
うちの本丸の主はそんな人なのだ。
面白れぇとは思うし、労ってくれるのも有難ぇとは思うものの、少し、その抜けている感じに不安を感じない訳でもない。
だから、余計に他の本丸の様子が気になるのだった。
隣のは、そんな俺たちの主の事を、余裕があって良い審神者氏だと褒めてくれた。
側から見ていたら『余裕がある感じ』でもない(やりたい放題にやっているように見える)のだが、まぁ、褒めてもらえるのは満更でもない。
俺はただ嬉しかった。
俺は隣の審神者氏もしっかり者の良い審神者だと思うと伝えると、隣のも喜んでいた。
またいつか会う時があるから、そん時はよろしくとお互い別れたが、またうちの本丸とは違う話を聞いてみたいと思う。
あいすという氷菓子が配られても分けてやれねぇが、何がしかの保存の効くものを貰ったら、隣の俺に分けてやるのも面白かもしれない。
他の男士達は、他の本丸に遊びに行ったりはしないのだろうか。
帰ったら誰かに聞いてみよう。
そう思いながら、俺は帰路に着いた。
🌾妄想、終わり🌾
よく考えたら、2205年だから、アイスも本丸で自動的に作れるような気もしてきた。。。むぅ。
萬屋とかで、刀剣男士達は他の本丸の男士達に合わないのだろうか?
という疑問から生まれた妄想でした〜。