支配

人間は何一つ支配出来無い。

独裁者が市民を束縛したところでそれは支配ではない。
ほとんどの人間は嫌々付き合っているだけ、少数の主体的人生を送る者があるがままを受け入れているだけである。

支配とは永遠の約束。
人間ごときが扱える代物ではないのだ。

外を見る人間は必ず肉体の死に支配されている。
死ねば終わりなのだ。

内を観る人間は自己に備わる欲望を支配し、意識は神のみに支配されている事を知っている。
なので彼には恐怖はやってこない。

人の死をコントロールすることが自分の死を緩和すると勘違いしている支配者たち、
功績や高位の立場が死を忘れさせてくれると勘違いしている支配者たち、

彼らの意識はトリグナの掟に支配されている。
肉体の死をもってグナの掟から解放される前に、自らの意識を解放する事がこの世を生きる責務である。

インド哲学とは唯一無二の支配者であるバガヴァーン主クリシュナ＝完成された精神知識（ヴェーダ）を得る（帰依する）為の超越的手段である。