毎週日曜日19時00分~19時30分、TBS系で放送されたタケダアワー枠の『ウルトラQ』(1966年1月2日-7月3日・全28回)-『ウルトラマン』(1966年7月17日-1967年4月9日・全39回)-『キャプテンウルトラ』(1967年4月16日-9月24日・前24回)-『ウルトラセブン』(1967年10月1日-1968年9月8日・全49話)に続いて制作された『怪奇大作戦』(1968年9月15日-1969年3月9日・全26回)。

 

 

50数年前に制作されたドラマなので、開発著しい東京においてそのロケ地は見る影もないかと思いきや現存しているものもある。

 

1969(昭和44)年1月26日に放送された『怪奇大作戦』第20話「殺人回路」の脚本は市川森一、福田純。監督は福田純。ゲスト出演は宇佐見淳也、平田昭彦、神田隆、キャシー・ホーラン

 

「殺人回路」は油絵に描かれた古代ギリシャの女神「アルテミス(Artemis)」(※劇中はローマ名のダイアナ|Dianaと呼称)が実体化して次々に人を殺して回るというお話。

 

主なロケ地は東京新宿と日本橋だが、新宿のロケ地は跡形もないが日本橋のロケ地は現存する。

 

現存するロケ地は『怪奇大作戦』のスポンサー武田薬品工業の東京の拠点である日本橋二丁目の東京武田ビル。

 

 

同ビルは1966(昭和41)年に武田薬品工業の東京支社・東京営業所として竣工。

 

 

建設から50年経つことから老朽化や耐震問題に対応するため、三井不動産が中心となって進めてきた日本橋本町二丁目特定街区開発計画において、武田薬品工業、武田薬品不動産、三井不動産の三者共同によって新本社ビルを建設。

 

新ビル「武田グローバル本社」が2018(平成30)年3月20日竣工、7月2日オープンしたことにより、武田薬品工業は本社を移転。

 

それに伴い東京武田ビルは高島屋に481億円(土地473億円、建物8億円)で売却された。

 

 

同ビルに高島屋は本社部門事務所とグループ会社を集約し、名称を高島屋グループ本社ビルとした。

 

 

同ビルは高島屋日本橋店と昭和通りを隔てた真裏に位置している。

 

 

同話のロケでも同店本館が確認できる。

 

 

窓の形や塔屋の形などでそれだとわかる。

 

 

高島屋日本橋店は日本生命館として1933(昭和8)年竣工。以降、4次に亘る増築により現在の形が完成。その後も新館建設や再開発により随所に魔改造ぶりが垣間見える。

 

 

日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業により高島屋日本橋店本館周辺の景色が激変。

 

 

現在、太陽生命日本橋ビル(同再開発事業A街区)が建設されたため同ビルの屋上から同じアングルで高島屋日本橋本館は見えない。

 

 

エンディングで東京の町並みを一望しているが、木造二階建て家屋も見られる。

 

 

画面を埋め尽くすビル群。

 

 

しかし、超高層ビルの類は皆無。

 

 

唯一、遠くに1968(昭和43)年4月12日に竣工した日本で最初の超高層ビル「霞が関ビルディング」の姿が確認できる。

 

 

その映像を見ると50年の時の流れを実感できるだろう。

 

 

◆ロケ地概要

名称:東京武田ビル(現 高島屋グループ本社ビル)

所在地:東京都中央区日本橋2丁目12番10号

アクセス:東京メトロ銀座線・東西線、都営地下鉄浅草線「日本橋駅」D1出口から徒歩3分