三重県伊賀市、近鉄大阪線青山町駅から徒歩10分。

 

 

朱色の橋を渡った川向こうに樹齢数百年を超える木々が鬱蒼と繁る社叢。

 

 

横断歩道の手前に青色の珍獣がおる。

 

 

手を挙げて横断歩道を渡りましょう。

 

 

大村の森。

 

 

鳥居の前で一礼。

 

 

樹木に覆われた参道を登る。

 

 

その先に鎮座する社殿。

 

 

大村神社。

 

 

滋賀県守山市の佐川美術館で開催中の「水木しげるの妖怪百鬼夜行展」を鑑賞後、周辺を観光して甲賀市で宿泊。日帰りでも可能な旅程を敢て一泊したのは当社に参拝するため。ようやく十年来の願いが叶った。

 

 

延喜式内 大村神社

 

御由緒

 大村神社は延喜式神名帳に載っている古社で、主神の大村の神は、阿保氏族の始祖、息速別命と申し、今から凡そ二千年程度前の神様で、第十一代垂仁天皇の皇子、伊勢の神宮を奉鎮せられた倭姫命の弟君にあたられます。

 当社の鎮座する阿保村は伊賀郡東南部に位置し、古くは奈良・京都から青山峠を越えて伊勢・東国に抜ける街道の要所で阿保頓宮にも置かれていました。又、当社の鎮座する地は、息速別命の宮室が築かれていたと伝えられています。

 大神様はこの地域一帯の開発・開拓された土地の守り神として、また地震除災の大神様として古今御神威を発揮され、多くの人々の信仰をあつめています。

 

 

御本殿。

 

 

拝殿。

 

 

向かって拝殿の右に要石社。

 

 

駒札に「要石」。

 

 

この人が?

 

 

社の中にしめ縄が掛けられた石が要石。

 

 

地震守護「要石」

 境内に「要石」が奉斎されております。

 創祇は、神護景雲元年(七六七年)、相殿奉祇の武甕槌命・経津主命は、常陸下総から三笠山遷幸の途次、当社に御休泊「要石」を奉鎮せられました。この神石は大地をしっかり護って下さる有難い霊石です。

 

ゆるぐともよもやぬけまじ要石

   大村神のあらんかぎりは

 

この呪文は古くから伝えられ、地震守護を願う人々のあいだで唱えられて参りました。御霊験は著しく、ことに安政元年伊賀上野大地震には、不思議とこの地方は難にまぬがれたとと伝えられています。

 

要石社の前にいっぱいおる御なまず様がこちら。今回の旅遠出は、この御方をお迎えするための旅。

 

 

こちらは当社で授与される地震除けの御守りで、お家のできるだけ高い場所にお祀りすれば御利益に与れるという。要石社の前の御なまず様たちは、御利益の御礼として奉納された皆さま。

 

当社の配祇神である武甕槌命(たけみかづちのかみ)は、伊弉諾が迦具土(軻遇突智)の首を斬り落とした血飛沫から生まれた三神のうちの一柱であると『古事記』に見える。

 

 

武甕槌命は地震除けの神。

 

 

鹿島神宮の最深部に奉鎮されている要石は、日本の地下に横たわり暴れて地震を起こすとされる大鯰の頭を押さえていると伝わる。

 

 

平城京を守護するための春日大社が創建されたときに、茨城県の鹿島神宮から白い鹿に乗って鹿島大明神(武甕槌命)が奈良にやって来た。その際、当社に立ち寄り要石を奉鎮したという。

 

 

配祇神の一柱、経津主命(ふつぬしのかみ)も春日大社の主祭神の一柱。千葉県香取市の香取神宮の祭神で、香取大明神とも呼ばれる。

 

 

また、同社にも要石が奉鎮されている。

 

 

なお、同社の配祇神の一柱、枚岡神社の天児屋根命(あめのこやねのみこと)も春日大社の主祭神の一柱。

 

要石社の後方、御本殿と並立する朱塗りの社殿。
 

 

国指定重要文化財の「宝殿」。

 

 

国重文「宝殿」

創建は、天正十五年(一五八七年)で元の御本殿。構造は、一間社入母屋造。屋根は桧皮葺、木ぐみは簡素ながら形状はよく整い、絵様・彫刻・色彩は、安土桃山様式の建築美を有しています。平成八年に修復工事を行いました。

 

 

その姿は武甕槌命を主祭神とする春日大社を彷彿とさせる。

 

 

社殿裏手から大村の里や街道筋が一望できる。

 

 

交通の要衝に位置し、その往来を見守る。

 

お天気が良ければ奈良の山々まで見通すことができる。

 

 

御本殿に向かって左手に巳の大杉。

 

 

木の洞に鳥居。

 

 

白い巳ぃさんの御住い。


 

その御姿を見ることができれば幸運が訪れる。

 

 

この後ろ、御本殿と並立する鐘楼。

 

 

由緒書き看板。

 

 

虫喰の鐘

 日本三大奇鐘のひとつといわれる虫喰鐘は当社境内の鐘楼にあります。鐘乳はぼろぼろと虫が喰ったように全て朽ち落ち、様々な伝説が伝わっています。現在は除夜の鐘・諸願成就の鐘として広く信仰をあつめています。

 

 

社殿裏南参道鳥居脇、英霊社。

 

 

昨夜来激しい雨に見舞われ、道中の止む気配がなかったが、当社に到着するや日が差し、頭上に青空が広がった。参拝を終え、進路を奈良県明日香村へと向けたが、これ以降再び雨に見舞われた。

 

 

一泊二日の旅程のほとんどが雨に見舞われたが、当社周辺のみ晴れ間が見え、清々しい空気を感じることができた。大村の神様に歓迎されていたようだ。一礼。

 

◆概要

名称:大村神社

鎮座地:三重県伊賀市阿保1555

主祭神:大村の神

配祇神:武甕槌命、経津主命、天児屋根命

合祀:応神天皇、大日靈貴姫命、市杵島比売命、天押雲命、大山祇神、火之迦具土命、大物主命、事代主命、建速須佐之男命、月夜見命、水波能売命、多岐里毘売命、速玉男命、狭依毘売命、多岐律比売命、稲田姫命、宇迦能御魂神
祭礼日:春季例大祭4月10日、地震除災祈願祭9月1日、秋季例大祭10月1・2・3日、月次祭毎月1日

創建:

ホームページ:大村神社公式ホームページ

駐車場:有

●アクセス

自動車:新名神高速道路信楽ICより約40km60分|名阪国道上野東ICより約14km20分|伊勢自動車道久居ICより約30km40分

鉄道:近鉄大阪線上本町駅快速急行乗車約90分青山町駅下車徒歩10分