11年前、鳥取にIターンした当時の自宅最寄りに立地していたスーパーが丸合(まるごう)。

 

 

初めてその屋号を見た時の心のつぶやきが「心斎橋かっ!!」。

 

かつて心斎橋には「大丸」と「そごう」の二つの百貨店が軒を連ねていた。

 

 

それを見た創業者たちは感銘を受け「いつか自分たちもこのような立派な店をやってみたい」との想いから大丸の「丸」と十合の「合」から一字ずつ取って「丸合」としたのが屋号の由来。

 

2000(平成十二)年7月12日にそごうが経営破たんし、そごう大阪店は同年12月25日に閉店。店舗を解体して建替えて2005年(平成十七年)9月7日にそごう心斎橋本店として開店したが、2009年(平成平成21年)8月31日に再度閉店。土地・建物はJ.フロントリテイリングに売却され同年11月14日に大丸心斎橋店北館として開店。大丸心斎橋店本館建替え完成後に改装され2020(令和二)年11月20日に心斎橋パルコが開店した。

 

大丸そごうを冠した名称などは心斎橋から消えてしまったが、その名残ともいうべき屋号が遠く離れた鳥取の地に残っている。

 

 

鳥取県米子市に本部を置く丸合(まるごう)は、山陰両県に24店舗の食品スーパーと1店舗の衣料品店、合計25店舗を展開するリージョナルスーパーマーケット。

 

 

その嚆矢は1947(昭和二二)年10月、太平洋戦争終結後に引揚者たちが米子市西倉吉町に開設した「よなごマーケット」。

 

 

現在跡地は中央駐車場となっており、昔日の面影はない。

 

 

戦後復興が進むに連れて近隣に大型店が出店、これに対抗して個人商店主たちが「協同組合丸合百貨」を設立し、1954(昭和二九)年11月1日米子市西倉吉町に1号店を開店。1955(昭和三〇)年に「協同組合丸合」に改称。1960(昭和三五)年には山陰ではじめてセルフサービス方式を採用した「ショッピングセンター丸合」として新装開店。

 

1969(昭和四四)年から79(同五四)年にかけて、米子、境港の中心部に大型寄合デパート「やよいデパート」を開店。並行して、郊外に中型スーパーマーケットを展開。

 

 

1979(昭和五四)年から85(六〇)年には、丸合チェーンとしては初めての大型店となる安来ショッパーズを開店。その一方で総合結婚式場「大和会館」や和・洋・中華などのレストラン経営に進出。

 

2000年頃から同業異業種の県外資本進出や販売チャネルの多様化による競争激化から売上が大きく減少。これに対応して地元生産者と直接契約した食材や地元人気店の商品などを導入して店舗ごとに特色のある商品を販売。

 

 

2010(平成二二)年12月に協同組合から株式会社に組織変更して新たな店舗ロゴを採用。以降、丸合ブランドの再統一や機構改革、店舗の閉店や譲渡を進め経営の合理化を図ると同時に順次店舗改装を進めている。

 

 

丸合本部などが入居していた大和会館は2010年3月28日閉館。2016年以降に解体され跡地には2018(平成三〇)年12月7日TSUTAYA東福原店がオープンしている。

 

 

隣接する東福原店は2018年10月6日に建替えリニューアルオープン、上質で明るい都会的な店舗に生まれ変わり新生丸合を象徴する店舗となった。

 

 

これらに伴い本部はおよそ2Km離れた国道9号沿いのやす井ビルに移転している。

 

 

2020(令和二)年11月13日にリニューアルオープンした境港ターミナル店は、水木しげるロードのイベント時には、水木ファンが殺到してブドーパンを買い求めることで有名。

 

 

また、同店の鮮魚コーナーで新鮮で上質な刺身を買い求め、宿で晩酌をするのが、旅慣れた境港ヘビーユーザーの定番となっている。

 

現在、東は鳥取県湯梨浜町から西は出雲市平田町まで、スーパーマーケット24店、衣料品店1店を展開。

 

 

2020(令和二)年のにはおよそ207億円の売上高を計上している。