どこからともなく砂が飛んできて、バラバラと身に振りかかるのは誰の仕業??

 

儂ぢゃ!!

 

 

砂かけばばあは、奈良県や兵庫県など、主に近畿地方に出没する妖怪。

 

 

神社の近くにある寂しい森蔭などに潜んでいて、通る人に砂をばらばらと振りかけておびやかす。

 

 

その姿を見た者はいないという。

 

鬼太郎ファミリーとされる砂かけばばあやこなきじじい、ぬりかべなどは、民俗学者柳田國男の著書『妖怪談義』に所収されている「妖怪名彙」に見えるが、元々姿形があったわけではない。現在、皆がイメージするあの姿は、水木さんが与えたもの。

 

 

過去に水木さんがお住まいだった西宮市のとある松に砂かけばばあが出たという話もあるが、ばばあではなく狸の仕業だとする話しもある。

 

ばばあというものの、バラバラと砂を振りかけたモノの正体を見極めた人はいない。

 

 

意味もなく砂が飛んで来たり、降ってきたりするのは鳥などの仕業などとも考えらる。

 

『ゲゲゲの鬼太郎』では、仲間であると同時に保護者的な役割を務める場面も見られる。

 

劇中、砂かけ婆がアパート経営をしている。この発想は、水木さんが神戸市の水木通りでアパート経営をしていた経験から出たとされている。

 

 

多彩な攻撃技や薬草などに対する豊富な知識、占いなどにも精通している。

 

 

水木しげる記念館2階に展示されている「砂かけ婆の秘密」によると、体内には血の代わりに砂が血管ならぬ砂管を通って体内を巡っているという。

 

 

好きな食べ物は笹の葉や竹の子で、食べたものを腸で砂に変えて、指先や髪の毛の先から砂を撒くという。

 

また、趣味は尺八で、こなきじじいとは内縁関係にあるのだとか!!

 

 

短編「砂かけばばあ」に登場した個体は、孫兵衛の裏山にある竹やぶの地下に住んでおり、醜い顔の青年を美男にする代わりに1年後、自分の婿になることを条件として、イモリのしっぽやガマの目玉などを調合し、美男になる秘薬を作る。本作では、砂を飛ばす能力などは披露されず、どちらかというと西洋の魔女的な描写が見られた。

 

 

水木しげるロードにも砂かけばばあは現われる。

 

 

通りかかる人に砂を振りかけようと物陰に潜んでいることもあるから注意せよ。

 

 

また、JR境線・大篠津町駅の愛称は「砂かけばばあ駅」。

 

 

駅周辺には藪や神社などが点在しており、砂かけばばあが出そうなフンイキを醸し出している。

 

◆初出

「妖怪大戦争」 『週刊少年マガジン』 1966年4月17日(No.15)号 講談社発行

◆アニメ版概要

第1シリーズ 第7話「ゆうれい電車」 1968年2月14日放送 (声 小串容子)

第2シリーズ 第2話「妖怪反物」 1971年10月14日放送(声 山本圭子)

第3シリーズ 第1話「謎の妖怪城出現!!」 1985年10月12日放送 (声 江森浩子)

第4シリーズ 第1話「妖怪!見上げ入道」 1996年1月7日放送 (声 山本圭子)

第5シリーズ 第1話「妖怪の棲む街」 2007年4月1日放送 (声 山本圭子)

第6シリーズ 第2話「戦慄!見上げ入道」 2018年4月8日放送 (声 田中真弓)

 

◆参考資料

『決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』 水木しげる 著 講談社 発行

『日本妖怪大事典』 水木しげる 画 村上健司 編著 角川書店 発行

『鬼太郎くんの仲間たち 妖怪「対比」図鑑』 水木しげる 監修 やのまん 発行

『アニメ版 ゲゲゲの鬼太郎完全読本』 1週間編集部 編 講談社 発行

『アニメ版 ゲゲゲの鬼太郎マニアックス』 一迅社 発行

『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪ファイル』 水木しげる 著 講談社 発行