存廃に揺れる三江線を巡る日帰りドライブ。朝6時、境港の自宅を出発。
最初の目的地は天空の駅・宇都井。
山陰自動車道、中国横断自動車道経由三次東インターで流出。三次市内を抜けるルートを選びましたが、このルートは大失敗。三次市から大田市へと至る国道375号へ合流。375号は国道とはいうものの、離合困難な狭隘な道幅が長く続く酷道で、おそろしいほど時間がかかる。列車の宇都井駅通過時間に対して余裕を持って出かけたつもりがまさかのタイムアウト。第四江川橋梁を通過する三江線を虚しく見つめる事態に至りました。
いや、これはこれであり。むしろ怪我の功名かもしれない。
三江線は戦前に開通した旧三江北線(1930~37年)と戦後の高度成長期に開通した旧三江南線(1955~63年)の両区間が、1975年開通の新線で結ばれ、一本に繋がり誕生しました。路線は大きく三つに分けることができ、駅にもその時代背景が表れています。
第四江川橋梁から江津方面へ車で1km・約3分で伊賀和志(いかわし)駅に到着。
築堤上の駅ホームは階段で上り下りします。
国鉄の赤字が問題になってきた頃に開通した路線のためかホームには簡易待合所のみ。
1926(大正一五)年起工、1975(昭和五〇)年全線開業となった三江線の最後の開通区間である浜原駅~口羽駅間は、県境付近で地形的に非常に厳しい難区間で、トンネルと橋梁を多用して敷設されています。
当駅のホームに立つと、そのことが実感できます。
起点・終点両方面にトンネルが存在。
停車する列車は、上下合わせて1日8本。
観光路線化をめざして地域資源である神楽の演目を駅に名付けた当駅の愛称は「鈴合せ」。
春から夏にかけて、木次方面へ線路沿いを徒歩2分ほど歩いた所に、森の宝と称される野鳥・ブッポウソウの観察小屋が設けられます。
駅前には、伊賀和志集会所と公営住宅が1棟、石州瓦葺きの2階建民家が1軒あるのみです。
◆施設概要
【名称】伊賀和志
【所在地】広島県三次市作木町伊賀和志下原214
【所属事業者】西日本旅客鉄道株式会社
【所属路線】三江線
【キロ程】78.2km(江津起点)
【駅構造】地上駅
【旅客ホーム数】1面1線
【乗車人員】0人/日(2012年)
【開業日】1975(昭和五〇)年8月31日
◆参考文献
『山陰駅旅』 西日本旅客鉄道米子支社 監修 今井印刷 発行