40年たらず前、小学校低学年の頃に見た絵本『うさんごろとおばけ』

鳥山石燕、土佐光信、川鍋暁斎の描いた妖怪をモチーフにしたおばけがたくさん登場します。

 

うさんごろうとおばけ

特に表紙の「すりばちこぞう」がツボでした。付喪神の一種なのでしょうが、これは瀬名さんのオリジナルかな?伊藤若冲の「付喪神図」に居そうな雰囲気です。なお、本編にも登場します。


同書の出版は1977(昭和五二)年。絵本作家 瀬名恵子(現:せなけいこ)さんの著書です。

町か学校の図書館で借りた記憶があります。一度絶版になったあと、2001(平成一三)年に復刻、再び絶版になっています。

ふと思い出して探してた時期があるのですが、タイトルをこのように

×「うさごろうとおばけ」

〇「うさんごろとおばけ」

誤って覚えていたためたどり着けませんでした。

なぜに「うさんごろ」?

その答えは本書のあとがきにありました。

「うさんごろ」の名前は、柳田國男の「一つ目小僧その他」に由来します。

 

一つ目小僧 2014.07.11

うさんごろうは、かあさんうさぎが、うさぎの守り神のうさはちまんに願掛けして生まれたうさぎ。うさはちまんのお祭りは満月の晩。だから満月の晩になると、うさんごろうは、特別な力が出るんだそうだ。


その時に唱える呪文が「なむ うさはちまんだいぼさつ。 あじゃらか もくれん きゅうらいす てけれっつの ぱあ。」

この本には三話が収録されており、三話目が「うさんごろうとおばけ」です。

お化けに会いたいうさんごろうは、新聞広告で貸家を探しています。その条件は「寺隣墓地付お化け見込み」。いまでいう事故物件。

さて、うさんごろうはお化けに会うことができたのでしょうか?

絶版のため入手困難ですが、お近くの図書館などで探してみてください。