昔、境港市竹内町の境港総合技術高校の付近には、昔、外浜境往来という道が南北に通っており、松並木が続く寂しい場所であったと伝えられています。
その往来を横切って、東西に「才仏川」という大きな川が流れていました。
この川に「川太郎」という河童がすんでおり、10歳ぐらいの少年と同じぐらいのかわいらしい体格をしていましたが、とても力が強く、人が通りかかると「相撲を取ろう」と誘ったそうです。
かわいらしい姿に気を許しうっかり相手をすると、大人でもかなわないほどのスゴイ力でズルズルと川に引き込んでしまうので、村人からはとても恐れられていました。
川太郎があらわれたときは、頭を横に振ってみせると、川太郎も真似をして頭を振り、頭の皿の水をこぼしてしまうので、川へ退散させることができたそうです。
才仏川は現在、学校の北側に小さな流れとして残っています。
かつては、大きな流れであったと伝えられていますが、現在では水量も少なく、ご覧のとおり川というより用水路といった風情です。
しかし、流れの西側は鬱蒼と茂る草木が見られ、ナニかが潜んでいそうなフンイキを醸し出していますが、この茂みの向こうには、いまではJR境線が走っています。
JR境線沿いはこういった茂みや林、湿地などが多く残っており、昔はもっと広大な面積を誇っていたと推測されます。
そう遠くない昔、ナニかがいるというフンイキがプ―――――ンと湧き立っていたのでしょう。
◇概要
鳥取県立境港総合技術高校
境港市竹内町925番地