鳥取市用瀬(もちがせ)町の流し雛は、今も旧暦の三月三日に催される有名な行事です。
桟俵(さんだわら)と呼ばれる稲の藁で編んだ直径20センチほど舟に内裏雛を乗せ、千代川に流し無病息災を祈ります。
この流しびなは実際に流してしまうものではなく、VP用民芸品として楽しめるものです。
向かって右がお内裏様、左がお雛様の古式飾りですね。
同封の由来書きには次のように記されていました。
郷土玩具
流しびな
流しびなの風習は、室町時代災厄を除く為に、雛を身代りにして川や海に流す人々の習慣から始まり、旧暦の三月三日に雛をさん俵にのせ菱餅、雛菓子、桃の小枝などをそろえていろいろな願い事を雛に託して川へ流しました。
現在ではおもに、郷土玩具、装飾観賞用として広く親しまれております。
朱や金色の紙で着物を作り、白い梅鉢模様を散らし、頭は丸めて胡粉を塗り、男雛は金色の冠、女雛は黒髪、それぞれの目と紅を描き入れ桟俵にのせた単純ながら素朴な味わい深いものです。
この桟俵の流しびなはもとより、短冊、色紙にあしらった雛、粘土や木製の立ち雛等すべて手作りの郷土玩具で全国からご高評をいただいております。
鳥取県上町一一六
信夫工芸店
信夫賢太郎
TEL・FAX(〇八五七)二三-〇五〇六
由来書きより全文転載