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 それでは、つかんだワラ。2回目の電気けいれん療法にたどり着いた話を続けます。

 ※ここでmECT=修正電気けいれん療法ですが、「電気けいれん療法」と略して書いていきます。

 

 夫が見つけてきたmECT=電気けいれん療法専門外来で初診予約が取れた。

 「もう無理だ」と実家に行かされた私であるが、

 初診の日には夫が休みを取って付き添ってくれた。

 

 前日に久しぶりに、自宅に戻った。

 子どもたちと久々の対面だった。

 嬉しかったが、もう思い出せないくらい、「私はこの先どうなるのか」そんな不安につぶされそうだった。

 

 東京郊外にある精神科の病院としては最先端ともいえる先だった。

 たいてい、待ち時間は長いのだろうと思い、その待ち時間が耐えられるのか心配だった。

 緑の多く、敷地の広い病院だった。

 

 また新しい精神科病院だ。

 第一印象、「ここにもタリーズがある!」だった。

 前の電気けいれん療法を受けた病院もだ。なんか法則でもあるのだろうか。

 

 タリーズの裏の階段を上って、外来の待合室に進む。

 掲示板にはいろんな臨床研究募集の張り紙が張ってある。

 統合失調症、双極性障害、うつ病、睡眠障害、認知症、PTSDいろんな募集がある。

 不思議な感覚だった。

 「あ、ここは新しいことに挑戦する病院なんだ」と一瞬思った。

 

 45分ほどまって、ポーン!と呼び出し音がなり

 「藤田さん、5番診察室にお入りください」

 夫と一緒に「失礼します」と入った。

 

 開けた先にいたのは、眼鏡をかけた比較的小柄の男性医師だった。

 コロナの流行り始めの時期だった。

 医師は、白衣というよりも白いスクラブを着ていた。マスク姿。

 優しい声だった。

 

 「どうされましたか?」

 

 そこから何を話したのか覚えていない。

 これまでの数年の闘病、自ら見つけ出した電気けいれん療法との出会い。

 そして再発してもう希死念慮すら出ている状態であること。

 なんとしてでも治したいこと。

 途中、泣いていたと思う。

 

 そして、医師から出たのがこのひとこと。

 「任せてください。絶対治りますから」

 

 え?ええ?

 

 私は、心から驚いて、そして心から感謝したかった。

 精神科医に限らず容易に医師は「絶対」なんていうワードは使わない。

 

 カラッと明るくそれを言ったのだ。

 「いま、先生、絶対って言いましたか?」

 

 「ええ、言いましたよ(ニコ)」

 

 私は泣いていた。

 そんなことこの状況でいう人なんてこの世にいるんだって。驚きと、うれしさと希望とで。

 

 隣にいた夫に、思わずすがるようにしてこう言った

 「いまの聞いた?治るってよ、私治るんだってよ」

 

 先生は続けた。

 「いつから入院できます?」

 

 「明日にでも、わたし、早く治したいんです!」

 

 夫から「いま実家にいるから、荷物を引き上げてなのであさってが最短です」と冷静に返した。

 

 帰りの電車で私は何度も夫に「きいた?絶対治るって言ったよ、あの先生」

 夫は「みつけたの僕だから」

 

 食欲が落ちていた私だったが、タリーズでテイクアウトしたソイラテデカフェアイス、アイス少なめの味は格別だった。

 

 私の中に、「色」や「味」や人生の希望が少しながらさしてきた。

 

 次回、MRI拒否。