そういうのは、

 

人に教えられるものじゃない」

と、先日読んだ本

「傲慢と善良」に書かれていました気づき気づき

 

あ、この本をお勧めしているのでは

なく、というか

どちらかというと逆です笑い泣き

 

ちょっとワンシーンにどうでもいい

情報が長々と書かれていて

途中からは、す〜と視線を

宙に浮かすような、

まるで「ルンゴム状態」で

読みました(笑)

 

「ルンゴム」

成瀬雅春さんの「空中歩行」

 

そんな印象の本でしたが、

唯一、ハッとさせられたのが、

先ほど書いた

タイトルからの冒頭の一文でした。

 

「だって、悪意とかそういうのは、

人に教えられるものじゃない」

 

これって普通は

何気なく素通りする文章

なのかもしれませんが

 

私も、数十年前に同じことを

思ったことがありまして、

気になりました。

 

15歳の少女が、ある年配の女性から

綺麗なネックレスをもらいました。

とは言っても、15歳ですから

もちろん本物の金とかではなく

そう見える、でも15歳が身につけて

もおかしくないキラキラした

可愛いものでした。

 

少女はその女性の家で、

ネックレスを受け取り

そのまま外に出ると、その方の庭先に

置いてあった落ち葉用のゴミ箱に

それを捨てました。

 

翌日これに気づいたその年配の女性は

「とてもショックだった。」

と私に話してくれました。

 

私は

この少女に聞きました。

 

           私「なんで捨てたの?」

          少女「いらなかったから」

           私「あの女性の庭先に捨てたら

             彼女が見つけるでしょ?悪いなとか

             ショックを受けるだろうな、とか

             って、思わなかった?」

          少女「???????なんで???

             だってあれゴミ箱でしょ?」

 

わかりますでしょうか、

この会話の違和感。

 

なんというか、この少女は何も

悪い事はしておらず、

返って私の方がアホみたいですよねアセアセ

 

「なぜゴミをゴミ箱に捨てたのか」

と聞いているんですものね。

 

そうなんです。

少女にとってはそのネックレスは

いらないもの=ゴミ

なので、ゴミをゴミ箱に捨てましたが何か??

なんですよね。

 

ここで、彼女に悪意はなかった。

でも、一般的に、大多数の人が

感じるであろう、

「ひどい、なんてことをするの」

の感覚はこの少女の中には

ないものでした。

 

そして、この先がありまして。

 

「いらないなら最初からいりません、って言って

受け取らなければいいんじゃないかな?」

 

少女

「だってくれるっていうんだもん。

もらわないと悪いかなって。」

 

なんと、少女はここで

この年配女性の親切心を、たとえいらなくても

受け取るという配慮をしていました。

 

つまり、彼女は人を思いやる

機能が欠如しているわけではないのです。

 

ただ、いらないものを

その人の家のゴミ箱に捨てただけ。

 

それが何が悪いのかは理解していない。

悪意はなかった。

 

ということなんです。

 

その頃、

駆け出しのカウンセラーだった私は

言葉を失いました。

 

この少女に

どうやったら、

 

「たとえいらないものを捨てるのであっても

正しいゴミ箱を選ぶこと」をわかってもらい、

これを大抵の人が見たら「悪意」と取り「ショック」を

受けるんだよ

と理解してもらえるのかわかりませんでした。

 

まさに「悪意(と取られる可能性のある行動)」って

後天的に教える事はできないのではないか、と

思った出来事でした。

 

「何が悪いのか?」

と問われれば何も悪くないと

答えるしかないが、

それでも何か違和感が残る。。。

 

そもそも、そこに「悪い」という

感情を持たない人には

教えようがない。。。

 

といつまでもループ再生状態でした。

 

ある一冊の、たいして

興味をそそられなかった本から

こんな昔のことを

想起させられた、というお話でしたウインク