【高校生】 部活~16歳~③
俺は部活内でとても気に入らないものがあった。それは、
”ルール”と”体罰”だ。
校則で服装と髪型について既に口うるさいのに加え、バスケ部内ではより厳格な”規則”が存在していた。
「ワイシャツの袖を腕まくりしてはいけない。
シャツの第1ボタンを開けたり、ネクタイを緩めてはいけない。(冬服時)
頭髪検査に1度でも引っかかったら部員全員が強制坊主。
部員の1人でも何か”悪”とされるものを行った場合、一時休部に加え部員全員が強制坊主or校庭外周20週。」
顧問の先生は「正しい服装の着方をしろ」と口うるさく言っていたが、
”服装の自由さ”とは海外を見なくとも昔から兄貴の周りのおしゃれな友達を見ればすぐに分かるし、
何を”基準”に「正しい服装の着方」を示しているのか当時の俺には理解できなかった。
また、バスケ部の”伝統”といわれるものらしいが、学校内で先輩や先生と会った時は
「チョーッ!!」
と大声で挨拶するのが”ルール”となっていた。
先輩たちは「バスケ部の”伝統”なんだ」と説明していたが、特にこれといった意味や歴史など知っている訳もなく、
何より挨拶の仕方がクソださすぎてとても嫌だった。
俺が校内で普通に挨拶を交わすと、「チョーッって言え」と注意された。
驚くほど実にくだらない”ルール”だ。
また、バスケ部内で最も俺が嫌っていた問題は先生による”体罰”だ。
バスケに限らずスポーツとは、身体が直感的に反応することなんてしばしば当たり前だ。
ミスをしたり、良い動きを繰り返し行うことによって身体が覚え、実際に試合で使えるようになるものだ。
すなわち、それが本来の「練習」である。
だが、先生は”ミス”を一切許さなかった。
部員の練習中の動きが何か1つでも気に食わないことがあれば、その度に練習を中断して先生のとこまで駆け寄り、
怒号を浴びて時に思いっきり殴られる。
ひどい時は練習中動いている時間よりも怒られている時間の方が長く、
また練習を全て中断して永遠と走らされることもしばしばだった。
先生の質問は”難解”なものが多かった。
「なぜあんな動きをしたんだ?」
俺を含め、怒られている全員が度々質問をされ頭を悩ませた。
テキトーな言い訳をあれこれ必死に探して言っている先輩もいたが、
「分かりません、身体が反応しました。」
と俺が答えると、
「バカかてめぇは!!!!」
と怒号を浴びせられ時に思いっきり殴られた。
俺は1度も無かったが、先輩はパイプ椅子を投げつけられた人や親友は顔面パンチを浴びて流血したこともあったので、
今思うとそれで”教育者”なのだからとんでもないサイコ野郎だ。笑
先生は怒号は浴びせるが、その問題点についての解決策は何1つ提示しない人なので俺たちの迷走は深まる一方であった。
...いや、提示はしていたのかもしれないが、俺の今までのバスケ部の先生の中で1番教え方がド下手で通用しないものばかりであったため、
説得力に大変欠けた。
なんせ、俺の高校はスポーツ推薦など取ってない一般進学校、部員も初心者の人も沢山いた。
当時の先輩の代は練習試合もほぼ全敗するような弱小チームだった。
(試合中、毎回チームの得点源になっていたのは俺と”ライバル”である親友だ。)
おまけに、先生は酷いヘビースモーカーであり、俺らが練習している横隅で常にタバコをプカプカふかしている人だった。
練習中息が上がっている中、先生に集合をかけられ中断し駆け寄りタバコの副流煙が蔓延している状態は余計に疲れを増した。
「これやったら先生に怒られるかも...?」
先輩たちの口癖だ。
彼らはバスケ部に限らず学校生活内で”先生に怒られそうなこと”にひどく敏感になっていて口うるさかった。
日が進むごとに俺の先輩や先生、バスケ部に対する”不信感”はどんどん高まっていった。
夏休みを迎え、バスケ部一同は1週間の「夏合宿」へ向かった。
...そこから俺の”不信感と怒り”はさらに激化していった。
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