16歳の時、「8mile」という映画を見た。



 

主人公ラビットを演じる、ラッパーEminem主演のHiphop映画だ。

 

当時、”Hiphop”というもに特に興味もあったわけではないが、

 

”家庭環境の複雑さ”と主人公ラビットが抱える”葛藤”

 

がどこか自分と重なったように見えて俺の目を釘付けにした。

 

俺は”衝撃”を受けた。

 

今まで、”NBAバスケ”を見ていて、現にアメリカにも訪れたことがあった俺だが、

 

映画の世界で描写されている”アメリカ”は全くの異世界だった。

 

映画の舞台は、ミシガン州デトロイト。

 

アメリカ国内の極悪犯罪率でも毎年ワースト3位内にくい込む決して治安の良いとは言えない都市だ。

 

もちろん、全ての地域の治安が悪いわけではないが、実在する8mileと言われる地域を境にそこは世界が違う。

 

「銃が流通する社会、人種問題、家もなくトレーラーで働き口も少なく貧乏に暮らす日々、世の中に蔓延する権力による不条理」

 

しかし、それでもめげずに闘い夢を追い、気持ちを「歌・言葉(ラップ)」で表現する。

 

俺の”心”はこの物語の主人公に惹かれた。

 

そんなある日、17歳の時に高校の”親友”と遊んでいるとき彼がとある1曲を流した。

 

「The Real Slim Shady」

 


 

聞き覚えのある声に俺はすぐに反応し、調べてみると...

 

歌っているのは”主人公ラビット”...いや”Eminem"というラッパーだった。

 

彼が8mileの主題歌を歌っているのは知っていたが、ラッパーとして活動していたことを当時の俺は知らなかった。

 

気になった俺は彼の生い立ちを調べ...更なる”衝撃”を受けた。

 

あの8mileで描かれている物語はほぼ半分彼の”人生”そのままをリアルに描写していた。

 

最初はリズム感や歌い方が良いという理由だけで好んで彼の曲を聴いていたが、

 

彼の音楽の”言葉”にしっかり注目してみると、

 

彼の家庭環境や社会に対する風刺など”心”の言葉が存分に歌われていた。

 

また、ラップという技法を使い巧みに面白おかしく皮肉を入れて彼なりに表現している。

 

彼の音楽を調べ、彼の”言葉”に耳を傾ければ傾けるほど、俺は”Hiphop"というものにのめり込んでいった。

 

俺は”Hiphop”という1つの生き方を知った。

 

 

「Rap God」

 


 

この曲は、6分4秒の楽曲の中で社会風刺などをうまく取り入れ1560ワードも使用されており、

 

「最もワード数の多い曲」として、ギネスブックにも認定されている。

 

彼は、”Hiphop”、”ラップ”、”音楽”、あるいは”好きなこと”、”気持ちを表現すること”に関して

 

”肌の色や人種は関係ない”ことを深く証明している。

 

俺が1番最初に好きになった”Hiphop"でもあり、現在でも1番好きなラッパーだ。◎

 

”日本人の歌うラップはダサい”

”日本語ラップはUSラップの流行りのパクリ”

 

...一体どこを見ている?どこを聴いている?

 

”Hiphop"が意味するのは「心」とその「ルーツ(生き様)」だ。

 

”Hiphop"で大事なのは外見ではなく彼らの”リリック(言葉)”だ。

 

歌には一体何のために”歌詞”があると思っている?

 

彼らは”表現者”である。

 

俺はUSラップも日本語ラップも共に大好きだ。

 

 

Hiphop for life, peace.◎