【高校生】 部活~16歳~④

 

夏合宿の1週間はバスケの強化合宿...というよりは、

 

何かの「精神修行」あるいは「洗脳修行」ともいえる所業だった。

 

問題は初日から起こった。

 

体育館へ到着し、いつも通りに準備をして練習前にキャプテンが「みんな頑張ろう」と

 

士気を高め先生の元に集合すると、...彼は何故か怒り始めた。

 

どうやら自分たちのやる気が無いと判断されたようで、もう何もしないと練習を放棄し始めた。

 

...が、普段からダラダラ行動していると怒号を浴びせられるので、

 

その時もいつも通りに早々と準備して誰もやる気の無い素振りを見せていなかったので全員の頭の中は”?”だった。

 

茶番劇も良いところである。

 

「反省しろ」と怒号を浴びせられ「はい!」とロボットのように返事をみんなはしていたが、原因がさっぱり分からないので

 

俺は頭の中で「何を?」と考えていた。

 

結局午前中はひたすら走らされて終わった。

 

別に夏合宿だからと言って今までと特別な練習をするわけでもなく、「朝・午前・午後・夜」の1日計4回、

 

ただ練習時間と先生の体罰と怒号の時間が増えただけだ。

 

また、夏合宿には毎日のように幾つも年上のOBの先輩たちが訪れていたのだが、彼らも先生による洗脳が染みついた人物が多く

 

矛盾の生じる発言ばっかりで教え方が下手であった。

 

...と言うよりも彼らは教える気などあまりなく休憩の合間には体育館隅で先生と共にタバコをプカプカふかし、

 

まるで同窓会を楽しみにきているような感覚で俺たち部員からするとハッキリ言って邪魔であった。笑

 

1日の最後にはOBの先輩たち1人1人から話を伺うミーティングもあったのだが、それも全て正座で聞く必要があった。

 

気をつかって話を早く切り上げてくれる人もいたが、中には中身のない世間話や先生の子分かの如く、

 

道徳観やバスケとは?について偉そうに長々と熱弁する人もいた。

 

先輩が「あの先輩は怒らせるとおっかないから気をつけろ、ちゃんと正座して聞いておけ」としばしば言っていた。

 

話は一応ちゃんと聞いていたが、俺はバスケをしにやってきたと思っていたので、この説教にも似た謎の時間は一体何だろうと度々疑問だった。

 

日に日に彼らの人数はどんどん増えていき、ミーティングの時間も長くなり俺たちの唯一の夜の自由時間も削られた。

 

 

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