僕が受験していた45年前、早稲田は1学部に受験生が2から3万人が集まり、立命みたいに地方試験が無いから皆早稲田にまってくる。高田馬場駅から地下鉄東西線の早稲田駅まで人混みがあふれ、大学構内も受験生であふれかえっていた。奇跡的に構内で小中学生時代の友人と会ったのを覚えている。高校で頭のよかった友人は東筑に進学していた。別の中学時代友人(やはり東筑)も1浪して社学に進学していた。僕は中学生の時はあまり勉強しなかったので、友人達が東筑に進学する中、南は今は中央より難しいだろうか、が当時は八幡、中央の順の難易度で北筑なんてまだ50年近く前にはなかったから、山の上の中央に進学したのだった。

 他にも一度も大学で会わなかったが、中学生時代のやはり東筑の友人は立命の経営に現役で進学していた。つまり皆、東京や関西の大学に行くのが普通で、数学ができる奴が九工大、英語ができる奴は北九大、まんべんなく頭のいい奴は九大か、熊大だった。



 学生時代に北九州で偶然会った東筑から1浪して鹿大に通っている中学生時代の友人は悔しそうに立命落ちたからなあ、といっていたが・・・。



 南九州に来ると、立命に合格しても鹿大に合格したら鹿大、だし。九工大に合格したらためらわずに立命を蹴る。いや、もちろんいい大学なのだけど、978年の北九州にいた僕の時より、2024年の今でも、宮崎や鹿児島の保護者や教育現場は何が何でも国公立大指向だ。南九州に西南学院や福岡大学みたいな有力大規模私立大学があれば意識も違うのだろうけれど。



 大隅半島に暮らしていて、有力企業はあっても、文系の大卒を多く雇用する大企業は地元に存在しないからなあ、大学自体の必要性を地域社会が感じていない。農業の労働力、運送業のドライバー、専門学校卒の介護福祉士。現場の即戦力が求められる。高卒就職率が今も高いのは田舎の雇用環境もある。


 首都圏の受験産業で働いていた頃の価値観が、福岡や仙台、金沢など大都市圏を近隣に持たない田舎では通用しない。通用しないまま、60半ばになってしまったかな。島根や鳥取、秋田や山形なども南九州と変わらない国立志向、高卒就職率高い、のではなかろうか。




とりとめなく、自分自身の昔を思い出していた。