クリスマスイブ | 桂三河の論文かエッセイかブログ

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クリスマスイブ

喫茶店の有線からはいろんなクリスマスソングが流れている

子供のころ、僕の家はクリスマスは手巻き寿司だった

おしゃれなクリスマス料理ではなく手巻き寿司

ちょっと豪華に見えるものでむかえるクリスマス

僕は、うちはめちゃくちゃ貧乏だと思っていた

「他の子が持っていても、うちは買えない」と言われたりしたからだ

外食はそんなに無いが、たまに回転寿司に行くと姉が高い皿ばかりを取るのを見て怖かった

だから、僕は1番安い皿の「たこ」ばかりを食べていた

両親は「たこ」が好きだなと笑った

有線から流れてくる「チキンライス」を聴きながら、そんな事を思い出しすごく共感しながら、「いや、Toshlさんのバージョンかい!」と心の中でつっこんだ


子供のころ、歯医者の息子でめちゃくちゃお金持ちの友達がいた
その子はいつも「ハリボーグミ」を食べていた
「ハリボーグミ」は普通のグミより高いし、僕らが食べれるものでは無かった

今でも、あんな子がいるのか分からないけど、絵に描いたようなお金持ちだった

昼ご飯に彼が「ざるそば」を買ってきたのだが、麺をほぐすのがめんどくさいから、ほぐしてくれたら「ハリボーグミ」を食べさせてあげるとか、そんな事をよくする子だった

僕はその頃からずっと「ハリボーグミ」が好きで、憧れのお菓子だ

それを言ってから、よく落語会の差し入れで「ハリボーグミ」をいただく

「おい、好きな落語をしてハリボーグミがもらえるようになったぞ?」

クリスマスにもハリボーグミをいただいた

もうそろそろ行こうかと立ち上がると有線から「粉雪」が流れてきた

大阪の雪の降らないクリスマスの日に「粉雪」

この曲を聴いたら行こう

座り直して目を閉じる

そして、心の中でつぶやいた

「ToshIさんのバージョンかい」