バスに乗る | 桂三河の論文かエッセイかブログ

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バスに乗る

バスに乗ると緊張する

まず、
乗り慣れていないので、行き先を確認するものの、終点の行き先しか書いてないため、本当に途中地点の目的地へ着くのか、全く知らない地に着いてしまうのではないかという意味の分からない恐怖や

降りるときに押すボタンを押すタイミング
いつ押すのか分からない
誰かが押すと思っていたら、誰も押さなかったときの恐怖や

これまで、何回かバスに乗っているが、
「え、バスの乗り方も分からないの?」と思われるのが恥ずかしく、人に聞けず、乗り慣れてますという顔をしながら、冷や汗をかいていた

今回、バスに乗る決意をしたのは、これらの恐怖の心配が無いからだ


終点大阪駅

必ず大阪駅に着く
ボタンを押さなくてもいい

安心だと思い、バスに乗ることにした
が、バスでのもう一つの恐怖を忘れていた

それは、運賃支払い問題だ

整理券を取って、ボードに書かれている自分の整理券番号の所の値段を払う
だけなのだが、実はこれが一番怖い
値段はどんどん上がっていくのだ
小銭が無ければ両替しなければならない
この両替のタイミングが中々難しい
寸前になると後ろの人を待たしてしまうこともある
絶対にもたついてしまう

あー、ダメだ
やっぱりバスに乗るのはやめよう
と思ったが、そのとき、僕はすでにバスを待つ列に並んでしまっていた
後ろにはかなりの人が並んでいる
言わずもがなバスの常連で週に17回はバスに乗ってるようなおばちゃん、ニット帽を被って音楽を聴いて余裕な顔のお兄さん、バスが混んでいたら絶対彼女を座らせて彼氏の方は通路のまあまあ邪魔な所に立って彼女の肩に手を置くであろうカップルなどなど
ここで僕が列から外れると
「あの人、行き先間違えてたんだ」と思われるのか
「バス初めてじゃない?寸前でビビったんじゃない?」と思われるのか
とにかく、僕はそのとき、既に例の乗り慣れてますという顔を作ってしまっていた
列から外れることは出来ない

意を決して、久しぶりのバスに乗る
整理券を取ろうとした
すると、その横にある物を発見した

それは、「交通系ICカードをタッチする機械」

僕は「交通系ICカード」を持っている

僕が持っている交通系ICカード
その名も「PiTaPa(ピタパ)」

「交通系ICカードをタッチする機械」が輝いて見える

僕が持ってる「PiTaPa(ピタパ)」はもっと輝いて見える

二つが触れ合ったときには、虹色の光を放った
かのような嬉しさを感じた

なんだ、もうバスでも使えるんだ

もっと大きく書いといてくれよな

これから、バスに乗れるな

何か嬉しい

ハードルって、こうやって越えていくんだ



ちなみに、バスが混んでいたら絶対彼女を座らせて彼氏の方は通路のまあまあ邪魔な所に立って彼女の肩に手を置くであろうカップル
の彼女の方が間違えて降りない所でボタンを押してしまっていた

僕は微笑ましい顔で見ていた