膣内異物のつづきです。



(その5) ビー玉

小学校6年生のお子様でしたが、ビー玉が入ってしまったと、救急隊

から連絡があり、救急車でお越しになりました。

非常に狭い膣内からどのようにしてビー玉を取ればいいか、スタッフ

全員で救急車が到着するまで、討論しました。

最も小さいクスコを使い、吸引チューブを挿入して取り出そうということ

になりました。

パニックに陥っている母親を落ち着かせ、娘さんを婦人科の診察台に

のせて、内診しました。

「んっ?」

普通に内診出来るではないですか。十分膣口も拡がります。

普通サイズのクスコを入れ、ビー玉を無事救出しました。

が、・・・・ビー玉5個も入っていました。

ビー玉で遊んでいてうっかり入ってしまったという状況では

なさそうだった。

犯罪の臭いも・・・・・・・・

近親相姦とか・・・・・・・・


落ち着いたところで、娘さんと色々な話をしました。


娘さんは一人っ子で、ご両親は共稼ぎのおうちでした。


典型的な ”かぎっこ”です。


時には夜遅くまで一人ぼっち。


1人家にいる時に外陰部を触っていると気持ちが良くなって、

段々エスカレートしていき、色々なものを膣内に入れるよう

になったそうです。


娘さんには、膣内に物を入れると、ばい菌が入って病気に

なるから止めましょうとアドバイスをしました。


母親には自慰行為をしていることは伏せておきましたが、

いつも1人ぽっちなので、出来る限り家族で過ごす時間

を作ってあげてと言っておきました。


ただ、娘さん本人はあっけらかんとしていたのが印象的でした。




(その6) マチ針


27歳の女性でしたが、夜中の2時ごろ来院されました。


彼氏がマチ針でクリトリスを刺激していて、中に入っちゃった。

と言ってました。


いつものようにクスコを挿入しましたが、マチ針は見当たりません。

膣壁に刺さったような形跡も見当たりません。

膣内には結局入ってなかったのかなと。


でも、もしかしたら・・・・・・


検尿をしてもらったら、血尿 !!!!!!!


確認する為に、レントゲンを撮りました。


膀胱内にマチ針が。


尿道口から入ったみたいでした。

尿道からどのように逆行して膀胱内に入ったかは不明。



どうしたものかと悩みました。



子宮鏡(子宮内部を観察する胃カメラの極細のもの)で取る

ことにしました。


取れない場合は開腹手術をする予定にして、手術場の準備もして

もらいながら。


子宮鏡を膀胱内に挿入し、生理食塩水で還流しながら観察しました。


すぐにマチ針を見つけることに成功!


鉗子(挟むものだが、子宮鏡の中の管から入れるので、極めて細い)

を挿入したものの、マチ針の丸い部分を掴まなければ尿道口から

取り出すことは不可能。


マチ針の丸い部分を掴むのは至難の技でしたが、何とか掴むこと

が出来て、マチ針の救出に成功しました。


マチ針救出作戦に約1時間もかかっていました。


救出したマチ針は本人にお返ししました。


一応入院して頂き、止血剤と抗生剤を投与し、夕方には肉眼的血尿

も消失したので、退院して頂きました。




(その6) ペットのいんこ


30代のばついちの女性だったと思いますが。


この方も来院されたのは夜中だったと思います。


出血が止まらないので、見て欲しいとのこと。


話を聞いても、泣いているばかりでした。


取りあえず、診察をすることに。


クスコで見てみると・・・・・・・・・・・


??????????????


膣壁には多数の擦過傷と傷があり、そこからの出血していました。

が、それだけではありませんでした。




膣壁に、小鳥の羽が多数付着していました。



???????????????????



かなり、興奮状態だったので、軽い麻酔をかけて処置しました。


麻酔から醒めて、興奮状態もかなり落ち着いてきたので、話

を聞くと。



「わたしの〇〇ちゃん(ペットのいんこの名前)が死んじゃった。」


「〇〇ちゃんとSEXしてたら死んじゃった。」


いんこの〇〇ちゃんが恋人だったのですね。


〇〇ちゃんは死を覚悟して、恋していたのでしょう?



後日の診察では、精神的に落ち着いてられました。


話を聞いていても、ごく普通のご婦人でした。

一応、心療内科へ紹介しましたが、問題なしということでした。


随分と寂しかったのでしょうね。





その他、大人の玩具や野菜類など様々な物を入れられて、来院

されますが、今回はここまで。