子宮内膜症 Part4 | 産婦人科専門医・周産期専門医からのメッセージ

産婦人科専門医・周産期専門医からのメッセージ

 第一線で働く産婦人科専門医・周産期専門医(母体・胎児)からのメッセージというモチーフのもと、専門家の視点で、妊娠・出産・不妊症に関する話題や情報を提供しています。女性の健康管理・病気に関する話題も併せて提供していきます。

8、子宮内膜症の症状はどのようなものか?
 子宮内膜症の症状には以下のようなものがあげられます。
①骨盤内疼痛
 通常は月経前あるいは月経中に周期的に起こります。一側あるいは両側の下腹部に見られます。病気の進行とともに増悪し、月経の1週間くらい前から疼痛が強くなることもあります。重症例では月経周期を通じて常に疼痛が起こるようになります。

 病気の進行度と疼痛の程度には相関がないとされています。

②性交痛
 子宮の癒着に伴う子宮の可動性の減少によるものです。重症例にみられ、特定の性交体位によって起こることが多いです。

③直腸症状・排便痛
 ダグラス窩後面の瘢痕や癒着による可動性の減少によるものです。

④不妊
 子宮内膜症による癒着や瘢痕が骨盤内構造に異常を起こし、卵巣から卵管への卵子の取り込みに影響を与えます。また子宮内膜症が存在すると腹水が精子の機能に影響を与えます。子宮内膜症女性の30~40%に不妊がみられます。


9、子宮腺筋症の症状はどのようなものか?
 子宮腺筋症は子宮摘出時に偶発的に認められることも多く、このような場合の多くは無症状です。病巣がある程度広がると様々な自覚症状を訴えますが、月経困難と過多月経が主症状です。

 子宮筋腫や子宮内膜増殖症を伴わない子宮腺筋症単独の最も重要かつ必発の症状は月経痛です。

 子宮腺筋症による疼痛は、月経開始直前から月経期にかけての激しい骨盤痛です。発作性であり間欠性の痛みです。通常は下腹部・腰部に限局しますが、時に背部や大腿部に放散します。


 今回の記事は産婦人科シークレットの内容を参考にして記載しておりますが、内容はオリジナルです。
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