あの頃に
戻りたいとは
思わないけれど
数十年ぶりの
デスバレーを
訪れて
蘇ってきた
若かりし頃
渡航費
学費
生活費
小遣い
全額支給奨学金を
手にして
アメリカに渡った
大学院で
フォトジャーナリズムを
専攻するために
この留学試験に向け
僕は
大学最後の1年間
勉強に
専念したように思う
初回受験では
一次試験で
予測通りの
不合格
渡米後
春休みを利用して
出かけた
デスバレーを
再訪した
あの頃の記憶は
ほとんど
残っていない
覚えているのは
寒暖の差が
激しかったことくらい
Death Valley
その名の通り
ここは
死の谷だ
人間の存在を
拒むような厳しさがある
夏の気温は
50度を超え
年間雨量は
50ミリにも
満たない
大塩原
人間の足跡は
白い道に化けていく
いずれ
立入禁止区域となるだろう
ジャーナリズムの道は
険しく
原稿〆切に追われ
身体を壊したことも
暫く
頑張ったけれど
１０年後のビジョンが
見えなくなり
夢破れ・・・・
ただ
あの頃の経験が
今の自分に
繋がっているのだと
思う
流れる汗が
目に染みる
夢を追い求めていた頃の
青春が
蘇ってきた
＊＊
人生の幕を閉じる時
胸を張って唄えたら・・
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