泉南退教便り2024年4月号原稿
「僕は一応ユーチューバー」その34 亀谷義富

50年前は、レコードプレイヤーにアンプを繋げ、アンプに左右2個のスピーカーを繋げてレコードを聴いていた。レコードからCDに変わって、CDコンポ(カセットテープもMDも聞けるコンポでアンプは内蔵)にスピーカーを繋げて聴いていた。レコードは処分してCDオンリーとなった。私の友人にオーディオ研究家の長岡鉄男の直弟子がいた。彼は自信作だと言って自作の長岡式スピーカーをくれた。その友人の影響でいくつかスピーカを自作したりして、CDを聴いて楽しんでいた。
さて月日が流れて、嫁様が終活だ、断捨離だと叫ぶようになった。そんなこんなで、本はPDF化されて128ギガUSBメモリ1個に相成り、ほとんど処分された。CDはこれまたMP3化されて128ギガUSBメモリ1個に相成り、すべてオフハウスに売り払らわれた。CDコンポとスピーカーも処分された。音楽はスマホに入れて、イヤホンで聞くことになった。イヤホンで音楽を聞くのは味気ない。
そんなおり、ユーチューブ動画をあれこれ見ていたら、ダイソー330円スピーカー改造動画が多数アップロードされていた。ダイソー製は、主にパソコン等に繋いで使用するものだ。同様のスピーカは、ダイソー製そっくりの安いもので1000円する。自作用のスピーカユニットはというと、アマゾンで安いもので1個300円程度、自作には普通左右2個いるから、600円かかる。ダイソー製は、小さなアンプがついて音量調節ができるスピーカー2個がついて330円だから格安だ。だから、ダイソー製スピーカーをバラしてスピーカーユニットだけを取り出してスピーカーを自作するのがはやるのだ。思うに、ダイソー製スピーカーの原価はスピーカー2個で80円、アンプは30円くらいではなかろうか。
というわけで、嫁様の終活、断捨離攻撃を跳ね返し、スピーカーを自作することにした。スマホに入れた音楽をブルートゥース対応のアンプに繋ぎ、そのアンプに自家製スピーカーを繋ぐのだ。アンプは中国製格安アンプを購入した。ダイソー製スピーカーを購入して、分解してスピーカーを取り出そうとしたが、取り出しに失敗した。再度購入して今度は取り出しに成功する。はんだセットを物置の隅から見つけ出して、スピーカーにコードをはんだ付けする。はんだ付けは十数年ぶりだ。スピーカーの箱は、段ボールを利用する。いわゆる段ボールスピーカーをつくる。自作するには段ボール製が一番簡単なのだ。半日仕事で完成した。中国製格安アンプも自作段ボールスピーカーも良いんじゃないというレベルだ。今日も、音楽を聴きながらこの原稿を書いています。