わたしはねこ。
このいえには、もうひとりねこがいる。
わたしはにばんめのねこ。
わたしがすきなあのひとは、いつもおしごとでいないの。
おやすみのひはね、あのひとのおひざはわたしのもの。
ほかのひとがよんでも、ぜったいにいかないの。
「ごはんたべるからどいて」
どいてあげない。
「おふろはいるからどいて」
どいてあげない。
…でも、あたまをなでてだっこして、「はいおしまい」っておいてけぼり。
にんげんはわがままだなあ。
きょうはおやすみのひみたい。
でもね、きょうはあのひとがよんでもしらんぷり。
だってね、もうひとりのねこがあのひとのあしもとにいる。
そこはわたしのばしょなのに。
じっとみつめるけど、しらんぷり。
だからわたしも、あのひとがよんでもしらんぷり。
「やきもちだ」
って、わらわれた。
なに?やきもちって。
しらんぷり。
「おふろはいるからどいて」
もうひとりのねこがおいてけぼりになった。
ふん!
そして、おふろにはいってきたあのひと。
よしいまだ。
「わー。おふろはいってきたばっかりだからだめー。」
しらんぷり。
だって、ずっと、さみしかったんだもん。
「けだらけだよ。」
しらんぷり。
「わがままだなー。」
わらいながら、あたまをなでてくれた。
おたがいさまでしょ。
しらんぷり…のつもりが、のどがごろごろなっちゃった。
しかたないね、ねこだから。
