ナキタカッタ ―― ナケナカッタ。グラっとするヒトコトをサクっと言うボーカリストを知らなかったら。夜空に雲が浮かんでなかったら。アイしてやまないギタリストに 「つまんないこと」 を訊けるアタシじゃなかったら。家族と一緒に住んでなかったら。アタシはきっと泣いていた。真っ暗な部屋の中できっと声を出して泣いていた。多分....きっと。真夜中の空に浮かぶ千切れ雲はアタシよりずっと不幸に見えた。泣けなかった理由のひとつがそれでもいいと思わない?