このゲームは、分隊を活性化し完全に機能させるには、指揮官が必要です。
指揮官がいないと、移動ができないというか敵に向かう移動ができないし、白兵戦や射撃アクションもうまくいかないことになります。

指揮官がいない場合、相手のリアクションを見て視認できれば、そのリアクションに対し、射撃や撤退などができます。

戦場がノルマンディ地帯の割に平地が多いのでヨーロッパの戦闘状況の再現と割り切るのが良いでしょう。

このゲームは、第二次世界大戦のヨーロッパ、D-DAY以降のアメリカ軍対ドイツ軍の戦いを戦術級で再現します。

基本的に中隊を選択し、その中の小隊を活性化することでゲームをプレイすることになります。戦車や大砲は、別の扱いとなり、活性化時に一緒に含めるか検討することになります。このゲームは以下、LHYと表記する。

 

基本情報:

  1. 地図盤スケール:ヘクス間50ヤード(おおよそ、45メートル)
  2. 時間スケール:ターンは、2分から5分に相当する。
  3. ユニット規模:歩兵は、班が2名、分隊は4名、車両は全て1両、砲兵器は1個。
  4. 地図盤の大きさ:42センチ×27センチ(おおよそ548メートル×386メートルの戦場)

SLは比較のために書き込みと、

  1. 地図盤スケール:ヘクス間40メートル
  2. 時間スケール:ターンは、2分
  3. ユニット規模:歩兵は、操作員が2名、通常は分隊で4名、車両は全て1両、砲兵器は1個。
  4. 地図盤の大きさ:54センチ×20センチ(1080メートル×400メートル)

ユニットの活性化単位

LHYは、小隊規模での活性化であるがため、4名の分隊を3駒活性化するので、12名が活性化することになります。これには多少の例外があります。

SLは、基本的に分隊戦闘ゲームであるがため、分隊単位の戦闘になります。

両方のゲームは、指揮官が登場し、様々な役割があります。詳細は長くなるので省きます。

 

LOS

SLとは異なり、LHYは一部の建物にLOSが引っかかっても、LOSの遮断にはなりません。これはLOSに引っかからず、そのまま引くことが可能です。SLとは大きく異なります。

 

射撃戦闘の概念はSLとは大きく異なり、かなり火力がLHYのほうが少なく驚くことになります。

 

ターンの概念

LHYは、ターンというより時間の経過を追うゲームです。つまり両プレイヤーが活性化を終了したら、どの程度時間が経過したか、サイコロを振り判定します。

 

プレイ時間

SLのシナリオ1は、おおよそ2時間程度だと思います。それに比べLHYは、勝利条件などが異なるため一概に比較するのが難しいのですが、一番簡単なシナリオで3時間程度かと思います。

近頃見ないゲームとして、一番最初はやはり、Road to the Rhine(GDW、1979)でしょうか。

このゲームは、作戦級としては意外とユニット数が少ないわりに、考えることが多いゲームでした。特に当時珍しかったターン内での複数のインパルスを行うことでした。また、補給も連合軍側が制限に悩ませる再現に成功したと思います。

 

ゲーム自体は、1983年にHJさんが日本語版として販売したのですが、それほど評判にはならず、消えていったゲームでした。特に日本では発売当初からプレイしたという噂は皆無で、まったく例会でのプレイに出会ったことがありません。

なぜプレイ対象にならないのかというと、やはりテーマ的にノルマンディー作戦が一段落し、コブラ作戦後の連合軍のラインへの進撃を行う作戦級はあまり趣向としてはあわなかったのかもしれません。

GDW万歳!!

 

次に、トブルク(AH)がやはり発売当初からあまりプレイを見ることがないゲームでした。このゲームは、アフリカでの戦車戦を再現した戦術級ゲームで、当時AHでのプログラム方式に近いルールを持っていました。

一番の持ち味は戦車対戦車ですが、かなりバランスが崩れ、ドイツ側に不利なシナリオが多かったです。ただ、平地しかないのでプレイにはそれほど多くの手間がかからないのがよいのですが。

 

そして、このゲームは後の戦車戦ゲームに影響を与えたのは確かであり、特にMBT(AH、GMT)につながる歴史を持っています。戦車に栄光あれ!

 

次は、マレー電撃戦(エポック)でしょうか。最近再販されましたが、まったくプレイされた気配がありません。

 

このゲームは、マレー戦でモラルを重視した戦闘システムとし、理解できればかなり面白いゲームです。英連邦にはきついゲームですが、それなりに慣れれば、かなり良い勝負にはなります。

おまけのシンガポール攻略は良くできているのは、あまりに有名です。

 

次は、サブマリン(AH)です。第二次世界大戦に絞った潜水艦と護衛艦と輸送船の戦いを行えます。

非常に古いゲームですが、システムがきちんとできているため、プレイでの潜水艦が潜んでいる緊張感が再現できています。

ただ、マニア向けの手間のかかるのはどうしても避けられないのが現実です。

個人的には、マニアックな日本の潜水艦も登場するので、プレイするアイテムとしては見所はあります。

 

次は、日本の進撃(HJ)です。このゲームは3個のゲームが入っていて、マレー戦は小さいマップながら手ごたえのある良くできたゲームです。戦闘システムも独特で、航空戦力と地上の戦力を同時にマネージメントし、戦闘結果表も通常のものと、後退時に専用の判定のものとがあり、かなり手間のかかります。ただ、追撃戦が行えるので、当時の日本軍の足の速さが再現できます。

その他に、ビルマ戦域のゲームがあるのですが、こちらも手間のかかるゲームで、大戦初期とはいえかなりマネージメントに悩むゲームです。

 

最後は、Risoorgimento1859(GMT、2000)ですか。

ちょうど日本の安政6年であり、この年に横浜開港があった時期でした。江戸末期のイタリアでの独立戦争を作戦級で描いた独特な作品です。おまけで戦略級ゲームも付属しこれもまたよくできたゲームです。

日本ではこんなゲームのプレイなど無理であって趣味の世界では完全な孤立無援なテーマでしょう。

様々な人物が登場するのするのですが、ナポレオン3世が出てくる珍品で、そして、ライフル銃部隊がドンパチ、ロケット砲がドンパチできるのも珍しい内容です。また、直接オーストリア皇帝軍との衝突もできるので、後の第一次世界大戦の起点を再現できるのも面白いです。

 

さて、来年あたりにプレイは可能でしょうか?