心不全 最近よく耳にしますよね。

これは心臓が血液を十分に送ることができなくなる状態を指します。この病態は、疲労、息切れ、浮腫(むくみ)などの症状を引き起こします。東洋医学では、心不全を全身のバランスの乱れと捉え、気、血、陰陽の調和を回復することを目指します。

 

以下に、心不全に関する東洋医学のアプローチと治療法をわかりやすく説明します。

  1. 気虚(ききょ):

    • 説明: 気の不足により、心臓が十分なエネルギーを得られず、ポンプ機能が低下します。
    • 症状: 息切れ、疲労感、食欲不振、浮腫。
  2. 血虚(けっきょ):

    • 説明: 血液の量や質が不足し、心臓に十分な栄養と酸素が供給されないため、心機能が低下します。
    • 症状: 顔色が悪い、めまい、動悸、舌の色が淡い。
  3. 陰虚(いんきょ):

    • 説明: 陰液が不足し、心臓に必要な潤いが足りず、心機能が低下します。
    • 症状: ほてり、口の渇き、夜間の汗、動悸。
  4. 痰湿(たんしつ):

    • 説明: 体内に痰や湿気が溜まり、心臓の動きを妨げます。
    • 症状: 胸の圧迫感、痰が絡む、吐き気、浮腫。
  5. 瘀血(おけつ):

    • 説明: 血液の流れが滞り、心臓に十分な血液が供給されないため、心機能が低下します。
    • 症状: 胸痛、舌に紫斑、唇の色が暗い。

東洋医学の治療法には以下の方法があります。

  • 鍼灸(しんきゅう):

    • 特定の経穴(ツボ)を刺激することで、気や血の流れを改善し、心臓の機能をサポートします。例えば、内関(ないかん)や心俞(しんゆ)のツボがよく使われます。
  • 漢方薬(かんぽうやく):

    • 個々の体質や症状に応じた漢方薬が処方されます。例えば、気虚には「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」、血虚には「四物湯(しもつとう)」などがあります。
  • 食事療法(しょくじりょうほう):

    • 栄養バランスの取れた食事や、特定の食材を取り入れることで、気や血の不足を補います。例えば、鶏肉、人参、黒豆、ほうれん草、ナツメ、ゴマなどをおすすめします。
東洋医学では、心不全を全身のバランスの乱れとして捉え、気、血、陰陽の調和を回復することを目指します。鍼灸、漢方薬、食事療法、生活習慣の改善、気功や太極拳などの多様なアプローチを組み合わせることで、心不全の症状を緩和し、全体的な健康を向上させることができます。