
ふらりと入った本屋で10年ぶりにある人に再会した。
「ちひろ!久しぶりだね!変わらないね、何してたの!!!」
帰り道の電車で彼女の「それから」を知る。
この「ちひろ」は実在の人物ではなく、漫画の主人公だ。
10年くらい前に、彼女は風俗嬢をしていて、(『ちひろ』上下巻)
今は弁当屋に勤めているらしい。(『ちひろさん』2015年9月現在、3巻まで)
山菜が芽吹く時期には店長自ら採った天ぷらが入ったり、
性格がきついパートのおばさんが漬ける絶品の梅干しや漬物が入っていたりする、
町の弁当屋。
彼女は言う。
「食べ物は育った場所と作った人の味がするもの」
・・・本当にそう。
いやなことはしない、したいことをする。
自分の中にあるとてつもない暗さに時折翻弄されそうになるけれど
日々生きている、一匹狼の「ちひろ」を
10年前に本当にかっこいいと思った。
(映画『バケモノの子』でも言ってたけど
人はみんな闇を持ってるわけで。)
そんなちひろだけれど、店になじんで、すべてうまくいっている時に
店を辞めてどこかへ行ってしまって話が終わる。
それが、おととい本屋で再会した。
1巻を買って、慌てて帰りの電車で読んだ。
相変わらずのクールさ、正直さ、奔放さにしびれた。
立ち仕事で疲れたから、と公園の鉄棒にさかさまにぶら下がって
子供達にからかわれたり。
外出先にも持って行って5回くらい読み返して、
「この漫画は続いているのか?」とようやく思いついて
祈るように検索したらなんと、3巻まで出ている。
買った本屋に翌日行くと3巻しかなかったので
(最初の再会ではあまりにびっくりしすぎて、
他の巻まで考えが至らなかった)
あわてて別の本屋に行ったら、2巻があったので
本当に神/宇宙/お天道様/大いなるものに感謝した。
1巻は2014年の3月に発売されている。
「なんで気づかなかったんだろう?私としたことが・・・!」と
思ったのだけれど、多分いまが読むタイミングだったのだ。
「自分に正直に、やんなさい」
ということが沁みるのは今だったのだ。
2回目に本屋へ行った時に気づいた。
この『ちひろさん 1巻』が目立つように置いてあったのは
新刊だからなのではなくて、
店員さんのオススメとして飾ってあったのだ。
もし、店員さんがオススメしてくれていなかったら、
なんとなくあの本屋に行かなかったら(普段行く本屋ではない)
『ちひろさん』が出ていることを知らなかったはずだ。
「人の目を気にしすぎている」
「自分は人に合わせている」
「一人になりたい」
そんなことを思ったことがある人は、
胸がすかっとして、
また明日からやっていけそうな気になると思う。
孫悟空やルフィ、ナウシカなど、
人はそれぞれ自分のヒーローを持っていると思うのだけれど
私は「ちひろさん」かもしれない。
描いているのは『ショム二』の安田弘之さん。
あとがきも素敵。
こんな話を読めるなんて、
2015年を生きる日本語ネイティブで本当によかった。
そして三軒茶屋TSUTAYAの店員さん、
オススメしてくれて心からありがとう。
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