久しぶり、アニメ概説。

今回は、九里一平氏追悼、マッハ号の話である。

マッハ号、殊更説明する必要はなさそうである。
日本のアニメ制作会社「竜の子プロ」が作ったアニメーションである。

こんな感じ。
日本の家族経営のレーシングチーム「三船モータース」は、自作のレーシングカー・マッハ号で、世界のレースを制覇しつつある。
長男・三船研一は、レースの内容で父と意見が対立。
姿かたちがよく似た「覆面レーサー」という人物も、出てくる。
もっぱらマッハ号に乗るのは、次男の三船剛。
三男のクリオとチンパンジーは、よくマッハ号のトランクに隠れて、剛の冒険について回る。

で、さまざまな冒険をこの一家、ブラウン管の中で繰り広げてくれた。
当時の少年少女は、クリオ君と一緒に彼らの冒険について回ったのである。

日本での放映が1967年から1968年。

ちなみに、アメリカで吹替で放映されたようだ。
その時期は、1967年で、ほぼ同時期である。

ところで、筆者が大好きなアメリカのハンナ・バーベラのアニメに「チキチキマシン猛レース」がある。

この作品の政策は、1968年から69年である。

ここで、筆者は、大胆な推理をする。

・「チキチキマシン猛レース」は、「マッハGoGoGo」に大きな影響を受けて、作成されたのではないか。

何故そんなことを考えたのか。
「マッハGoGoGo」では、マッハ号には、さまざまな特殊機能が装備されている。
その特殊機能はステアリングパッドにあるその頭文字ごとにAからHのボタンで操作されている。

日本の少年少女もこのボタンに憧れたが、アメリカの少年少女もこの設定に魅了されたようだ。

後に、アメリカ本国で作られた「マッハGoGoGo」続編では、このボタンの描写が適当であまり受けなかったようだ。

とすると、こんな推論が成り立つ。
・「マッハ号」以前には、この手の設定はなかった。

その後放映された「チキチキマシン猛レース」では、けっこう「ステアリングパッド上のボタンによるアルファベットボタンでの特殊機能操作」は、結構あったように思える。
ドクターHのマジックスリーの車体変身の際に、使っていたような気がする(50年前の記憶なので曖昧である)。

ならば、ひょっとして、ハンナ・バーベラプロのウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラが、放映されている「スピードレーサー(「マッハGoGoGo」の英語名)」にインスパイアされて「チキチキ」を作ったなんて、想像もできる。

まあ、「花魁キング」(なんか違う)、「汚いハリー2」(ちょっと違う)あたりの剽窃、流用ほどではないと思う。
これは、文化的影響と言った方が良いだろう。
太平洋の東から西ばかりではなく、極東からアメリカに文化的影響を与えたのかなあ、と思ったら、相当嬉しいのである。

今ごろ、あちらに行った九里一平さん、ワーリーやリッピーによく似たウィリアム・ハンナとベニ公やハーディにそっくりのジョセフ・バーベラと、レースのアニメの話をお兄さんと一緒にしているんじゃないかな。