九里一平さんが亡くなった。

タツノコプロダクションの吉田三兄弟の末っ子でる。


末っ子と言っても、享年83。

日本のアニメーションの黎明期の一角を構成したタツノコプロダクションの推進者である。

語り出せば、いくらでも語れてしまう。
このアニメプロダクションがなければ、世界のさまざまな映像作品、芸術作品は、存在しなかったのである。

と、大上段に振りかぶるのは、ここまで。

もう十年以上前か。
有明で、何かのアニメのフェアが行われた時のこと。
思い出せば、2007年だった。

各アニメ制作会社がそれぞれ自分たちのブースをかなり大きく設定して、自らの作品群を展示していたのである。

タツノコプロのブースを見ていたら、主催者側の席から家族の声が聞こえてきた。
「お父さんが、食事している間に、誰かこれやって。」
「もうじき、予定していた人が来るから、準備してね。」

これ、タツノコの吉田三兄弟のご家族、奥さんや娘さんたちの声であった。



姿は見えなかったが、一瞬、「マッハGoGoGo!」の三船モータースのガレージに紛れ込んだのではないかと、勘違いしてしまうような感じであった。

タツノコプロは、家族がずっと仲が良かったんだろうなと思えるシーンであった。

さて、覆面レーサーが姿を消した後、剛君とクリオ君は、三船モータースを世界一のチームにしたのと同様に、タツノコプロも世界一のアニメ制作会社となった。

今ごろ、九里一平さん、お兄さんの吉田竜夫さんの前にいき、ご不在だったこの何十年かの間の報告をしているのかな。

九里一平さんのご冥福を心よりお祈りいたします。