漫画家の松本零士さんが亡くなった。

ああ、大ショック。

一般的な話は、由緒正しきサイトを確認されたし。

まずは、個人的な記憶から。
一番初めは、やはり少年マガジンの「男おいどん」だったか。

あまり風采の上がらないメガネの青年・大山昇太(おおやま・のぼった)が主人公。
その何とも情けなくも共感する日常が描かれた作品に、大笑いしつつも、引かれて行ったのである。

彼の得意な点で、なおかつ当時受けなかった「SF」「ミリタリー」「メカ」「エロス」「昆虫」等々は、すべて封印した作品。

その枠の中で描かれたおいどん君の屈託は、面白かった。
当時の小・中学生は、これから来る未来の自分の姿として、読み取って行ったのである。

この作品の後、「模型の時代」「ヤマビコ13号」「ワダチ」と言ったSF作品に触れていくことになる。
そして、「スーパー99」や「電光オズマ」、「光速エスパー」等の過去の作品群を読むことになるのか。

そして、ビリッと来たのが「四次元世界」(1977年小学館文庫版)。
当時の高校生は、見事にハマったのである。

「戦場まんがシリーズ」も、このあたりである。
60年代生まれが、ミリタリーマニアになったのは、タミヤ模型とこのシリーズが主因と言えそうだ。

その後が、1975年以降のヤマト騒動である。
これ以降は、漫画家と言うより、ミリタリーマニアの大先達としての認識が強くなってくるのである。

確かに、古代進や星野鉄郎の冒険も嫌いではない。
でも、筆者にとっては、おいどん君からヤマト以前の松本零士世界が、最も輝いているように感じるのである。

某プロデューサーや某ミュージシャンとのゴタゴタとか、よろしくないことも聞こえてきた。

でも、松本零士の世界は、永遠なのである。

もう新作は、望めない。

過去の名作をゆっくり読んで、松本零士先生を偲ぶばかりなのである。

松本零士さんのご冥福を心からお祈りします。