漫画家の古谷三敏さんが亡くなった。
少年サンデーのマンガ「ダメおやじ」で、かなりな人気を得た人だった。
善良なサラリーマンである主人公が妻や二人の子どもに馬鹿にされ、肉体的精神的暴力に曝され続けながらも生きていくという漫画。
個人的には、全然カタルシスがなく、大嫌いな作品であった。
たぶん、この作者自身も精神的には、かなりつらかったのではなかろうか。
そのつらい気持ちが、その後の「寄席芸人伝」「BARレモンハート」あたりに繋がった気がする。
漫画「寄席芸人伝」は、大ファンではあったが、どこか作者の「逃げ道」だったような思えて、客観的にしか読めなかった。
毎日新聞に載っていた「ぐうたらママ」は、「ダメおやじ」への罪滅ぼしのような漫画だったように読めた。
どちらにしても、当時の少年・青年に大きな影響を与えた作家であることには、間違いないと思う。
今は、大変な心労を抱えたのではないかと推察されるこの漫画家さんの逝去を静かに受け止めるばかりである。
古谷三敏さんのご冥福を心よりお祈りします。