さいとうたかを先生が亡くなった。
この人の作品では、「ゴルゴ13」が一番有名である。
個人的には、「デビル・キング」や「バロム1」なんか、好きだったな。
「バロム1」の逃げる警官や「デビル・キング」の運転手など、末端の脇役まできちんとかき分けてあった。
細部を疎かにせずに書かれていたのが、10代の目でもわかったのである。
そうさな。
キャラクターに対する愛情があるというか、以前「ゴルゴ」に出ていた在オーストラリア・ソ連大使館のチンピラみたいな大使館員がずっと同じキャラクターで書かれていたことも、心に残っている。
長編マンガで同じく有名だったY(仮名、「三国志」とか書いている人よ)は、マンガが好きというより、マンガを生活の手段にしていた感じがした。
さいとう先生は、マンガが大好きで、なおかつ、上手く生活の手段にしていたように感ずる。
当然、マンガが大好きというのが、最優先だった気がするのである。
「劇画」というジャンルを作り、マンガの神様である手塚治虫先生から激しくライバル視されていたけれど、この人も手塚先生の漫画を心から愛していた人。
ああ、あちらの世界は、たくさんの書き手が集まっているんだろうな。
何しろ一番の若手が吾妻ひでおだから、相当濃いめの新作が書かれていそうである。
遠い将来、それらの漫画を読めることを期待しつつ、さいとう先生のご逝去を思うのである。
で、「ゴルゴ13」は、まだ続くのだそうだ。
スタッフとかファンのことを考えてくれたのだと思う。
本当にマンガが大好きで、的確に周りのスタッフたちの生活の糧とし続けていた人なのだと思う。
さいとうたかを先生のご冥福を心からお祈りします。