今度は谷筋編、弦巻川・池袋の語源となる谷筋である。

 

【所在地】

豊島区雑司ヶ谷1他。

 

【コメント】

このあたりの地形は複雑。

ちょうど消防署のマーク(Yの字の両端が丸まっている形)によく似た谷筋ができている。

 

右側は、水窪川でそのまま池袋サンシャイン60の下へ向かう谷筋。

左側が今回のところ。

護国寺西交差点のちょっと北側で、西に向かう谷筋である。

谷筋と言っても、低いところが標高20mくらいで、少しずつ高くなっていく。

 

いちばん高いところが両側とも30m程度で、だんだん高低差がなくなっていくのである。

 

このあたり、15年近く前、雑司ヶ谷旧宣教師館を見学に行く際に歩いたことがある。

 

東京周辺区部出身者には、非常に懐かしい風景が続いていた。

昭和の初めに作られた木造の家、たぶん大工さんか、鳶職さんの家で、庭に梯子や足場が括りつけてあるような、建物がある風景だったのである。

しかし、今ストリートビューで確認したら、すでに瀟洒なマンションになっていた。

 

このあたりも、関東大震災後に東京がスプロールした際に都市化した一帯である。

同じような歴史的過程を経た東京周辺の懐かしい建物が、並んでいる場所なのである。

 

この谷筋は、弦巻川という流れの跡。

このまま上流へ進み、都電を越えて、鬼子母神の東側を進み、明治通りやJRを越えて、池袋駅西口の東京芸術劇場のあたりが源泉になっていたらしい。

 

すでに、雑司ヶ谷あたりで、落差はほとんどなくなるので、記述はここまでとする。