相談員の頃の話である。

 

求人票の応募条件の中に、「学歴」が書かれている。

たいてい、「不問」の場合が多く、書かれていても「高卒以上」が一般的。

 

「短大卒以上」と書かれている場合は、男女別で募集が禁止されているので、女性を求めているという意味を含めている場合もあるようである。

 

中には、「大卒以上」と書かれている求人票もある。

 

窓口で、しばしば、この条件について以下のように、質問されることがあった。

「この求人、私は高卒なんですけれど、応募できますか。」

 

求められている職種での経験が豊富で、自分に合っている内容と考える人が、唯一、その学歴だけが合わないという場合に、このように質問をされるのである。


その場合、「そうですね。大卒でない方も、応募できるかどうか、先方に確認してみましょう。」と答える。

 

その後、本人の確認を取ってから、求人票を出している企業に電話をして、確認を取るのである。

 

「あの、今、こちらに御社の求人に見合う経験を充分にお持ちの方が応募を希望しているんですよ。

 ただ、この方、学歴が大卒ではない方なんですけれども、応募の方は可能でしょうか。」

 

基本的に、こう尋ねると、ほとんどの担当者の方は、こう答える。

「ああ、大丈夫ですよ。履歴書等をお送りください。」

 

それは、そうである。

一定の条件として学歴を付けたけれど、良い人材ならば、それは絶対条件ではない。

応募したいという人材を断るところは、ほとんどなかったのである。

 

断った事業所は、3箇所。

面白いことに、うち、2箇所は大学。

それぞれまったく別のタイミングに、全く別の大学で、まったく同じ回答だったのである。

 

やはり、大学の中では、大学卒であるということは、職員として必須なのだろう。

一つ勉強になったのである。

 

この手の話は、まだまだ続くのである。