マンガ家の辰巳ヨシヒロ先生が亡くなってしまった。


初めて読み始めたのは、70年代後半に古本屋で買った「ガロ」のバックナンバーだったか。


何とも、暗い話ばかりが続く作家さんだな、やはりガロ系だなと感じていたのである。


その後、マンガ史を知る中で、日本の劇画を作り上げた鬼才たちの一人であることを知ったのである。


かの桜井昌一(水木先生のキャラクター・サラリーマン山田のモデル)の弟でもある方。


一時期、神田神保町の靖国通りの北側で「ドン・コミック」というマンガ・マニア向けの古本屋を開いていた頃があった。


何べんか入ったことがあったが、いかにも古本屋然とした愛想のない印象でカウンターに座っていた辰巳先生を拝見したことがあった。


最近は、その作品が何とフランスをはじめとするヨーロッパで評価されていると聞き、驚いた。


たぶん、絵のうまさと言うよりは、その存在感がフランス人の魂を捉えたのであろう。

(手塚治虫先生がご存命だったら、さぞかし嫉妬されたのではなかろうか。)


辰巳ヨシヒロ先生のご冥福をお祈りします。