今日は休日である。

素浪人でも「休日」はあるのである。


今日は、妻と二人で本郷の弥生美術館に行くことにした。

外は雨が降っているが、含有される放射性物質はごく微量で全く安全と政府が言うので出かけるのである。


東京大学の裏側の弥生町にある弥生美術館は、ちょっと不便な場所にある。

会員券を見せて中に入る。

傘立てに傘は2本しか入っていない。

館内に客はほとんどいなかった。

やはり、原発+降雨に対する警戒感だろうか。


弥生美術館は四半期に一度展示替えをする。

4月からの展示は「藤田ミラノ展」。

あまり良く知らない人ではあったが、見学して驚いた。

1950年代から少女小説の挿絵や扉絵を書いていた方。

1970年代にはパリに行って、フランス人向けの雑誌に絵を書いて、売れていたんだそうだ。


そうだなあ。

日本人女性で先代たちのフランス文化や芸術を血肉にして、日本画をかっちり学んた人。

ましてや、日本で少女たちに人気を博した絵を質よく量産した方である。

その人が、フランスのパリに行けば、東洋と西洋の文化を両方とも兼ね備え人気を出すノウハウを持った芸術家、それもどちらにも属さない不思議な雰囲気の画家として大人気になるはずである。


フランスで人気が出た日本人芸術家の一人を知ることができて、大変に勉強になった。


帰りは東京大学の中を通り抜けて、本郷の中華料理屋さんでお昼ご飯。

店員さんもコックさんも全員中国人で、「ラーミェンですね。」と中国語バリバリである。


出てくるラーメンは、シャンツァイばっちりの中華風と思いきや、思いっきり東京風ラーメン。

それも、情けなくなるくらい伝統的な東京ラーメンである。


午後は雨もやんでしまい、楽しい一日を過ごせたのである。




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