少し長文になりますが、お時間のある方は読んでください。
今までいろいろな人と関りを持ってきました。
親、学校の先生、友人、初恋の人、恋人、職場の人たち、妻、子ども、孫などなど
今までいろいろな経験をして、家庭を大切にしていくのに一番必要な感情は「愛情」と「情」だと思っています
愛は相互通行でないと成り立たないと思います
愛情と情は一方通行でないといけないと思います
尊敬は一方通行で良いですね
愛は、相手を愛し、相手も愛してくれないと成り立ちません。
片思いでは何も答えてくれません。
愛情と情は、自分が与えますが、相手から与えられることを期待してはいけません。
尊敬も同じです。
例えば結婚というものを思い浮かべてください。
人を好きになり、一緒にいたいと思い、相手に愛を注ぎます。
それに対して、相手も貴方に愛をくれえます。
それが恋愛です。
そうして、交際が始まり結婚します。
結婚すると新婚のうちはお互いに愛が一杯の生活になります。
「愛」はお互いに相互通行だから成り立つのです。
しかし、時間とともに愛という感情から、愛情に変化していきます。
愛情とは、相手のことを大切に思う一方通行の気持ちです。
相手に見返りを求めませんし、求めてはいけません。
例えば、玄関に靴が脱ぎ散らかされてあるとします。
それは、妻の靴でも子供の靴でも同じです。
愛情が生まれると、その光景を見たときに「もしかして、揃えておいてあげないと履くときに躓いて転ぶかもしれない。
そうならないように揃えよう」という気持ちです。
雨が降ってきたら「雨に濡れると風邪をひくかもしれない。濡れないように迎えに行こう」という気持ちです。
帰り道に「そういえば、あれが食べたいと言っていたな。買っていこう」という気持ちです。
この一方通行でもいい、何も求めない、相手を思いやる気持ちが「愛情」です。
愛を求めてばかりで、愛情が芽生えなければ、二人の生活は長続きしません。
それから、さらに時間が経過すると「愛情」から「情」の気持ちが芽生えてきます。
「情」は相手にとって自分が必要なのだという気持ちです。
私が助けてあげないといけない、という気持ちです。
これも相手に見返りを求めるのではなく、一方通行の気持ちです。
そのように心が変化して、夫婦生活が進んでいきます。
大切な家族ができます。
それでは、どのようにして「愛」から「愛情」、「情」に変化していけるのでしょうか。
一番はお互いを信頼する気持ちです。
これは、言葉に出さなくても必ず相手に伝わります。
もう一つ大切なことは、仕事でなかなか一緒に食事をできないことも多いかもしれませんが、どれだけ忙しくてもできるだけ二人一緒に食事をする時間を作り、その時間を大切にすることです。
「食べる」という字をみなさん思い描いてほしいのですが、この字は「人を良くする」と書きます。
当然、食べなければ健康ではいられません。
しかし、人を屋根に見立てれば、「家を良くする」とも見えます。
一緒に食べながら、お互いの話をし、お互いを理解することで、信頼も深まっていきますし、相手の立場を思い合える人間に成長していけます。
また、もう一つ大切なことは、家庭の中は、茶室のようにしなくてはいけません。
茶室はご存じの通り、入口の扉が低くなっている躙り口になっています。
どんなに身分の高い人でも頭を下げて入らなければなりません。
そして、床の間に「喫茶去」の掛軸がよくかけられています。
茶室の中は、皆平等であることを表しています。
家庭で誰かが威張ってはいけません。
家族が相手を思いやる「恕」の気持ちを持つ。
そうすることで、相手のことを尊重し、心から信頼できる家庭が作られます。
その家庭こそが、「愛」「愛情」「情」を育てると思います。