書評 しょひょう : 渡邊哲也『冷戦大恐慌、どうなる世界経済』(ビジネス社) | 護国夢想日記

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 日々夢みたいな日記を書きます。残念なのは大日本帝国が滅亡した後、後裔である日本国が未だに2等国に甘んじていることでそれを恥じない面々がメデアを賑わしていることです。日本人のDNAがない人達によって権力が握られていることが悔しいことです。

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置いてきぼり日本だが、次世代半導体で復活できる可能性はある
中国企業が干しあがるのは、いまや時間の問題となった


渡邊哲也『冷戦大恐慌、どうなる世界経済』(ビジネス社)
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日米関係の明日を展望すれば、まだ未練たっぷりに中国に留まっている日本企業は本当にヤバイ、すぐにも撤退するべきではないかという警告が基軸にある。

 

残留日本企業13600社は『人質』であり、関連する日本企業は二万社もある。

 

米国でも、まだ中国市場に秋波を送るGAFAなど、ひょっとして大やけどを負うかも知れない。

 

仁義なき企業戦争だが、生き残りを賭ける心構えが、それなら日本企業にあるのか。

 

本書はとりわけ米中のハイテク争奪戦争を、極めつきに平明に、図解を多数交えながら、わかりやすく説いている。

 

米中激突、その狭間に立つ日本の立ち位置という現状を手に取るように読者は把握できることになる。

 

また半導体の開発レースでは米国、日本、台湾、韓国が壮絶に絡み合いながらも、これまで決定的に不利な立場に陥っていた日本勢に多少の回復チャンスがあること、

 

韓国は日本を敵に廻してしまったため再起不能に陥るのは時間の問題であること、

 

台湾は米国重視ゆえに中国の利権を捨てる覚悟があること。

 

それに引き替えて、日米同盟を軽視して中国に技術ごと奉仕している日本人がいることも実名をあげて糾弾している。

 

政治的に、あるいは軍事戦略上の考察から米中衝突を、徒らにセンセーショナルに描くのではなく渡邊氏は法律を時系列にかつ体系的に並べながら論理的な展望を開陳してゆくので説得力に富む本である。

 

米国経済に関しても辛辣かつ鋭角的な批判を演繹し、「(ウォール街の株高も)株価上昇が経営者の経営努力の賜ものなのか、低金利の恩恵や、原油価格の影響といった外部要因によるものなのかを問うことを一切怠ったからです」(100p)。

 

またフェイスブックのデジタル通貨「リブラ」にしても、「世界各国すべての運営する国で、銀行免許を取らなくてはなりません。

銀行免許を取るには、それを取る条件をすべての国で満たさなければならない」。

 

だからフェイスブックのデジタル通貨は失敗すると示唆する。

 

全編に企業名が掲載すれているので投資家、金融関係者への指針にもなっている。

 

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