奥山篤信 映画DVD 情報の作用、『アイズ ワイド シャットEyes Wide Shut』199

奥山篤信　映画DVD　情報の作用、
『アイズ ワイド シャット
Eyes Wide Shut』1999
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故スタンリー・キューブリックは僕の最も評価する監督の
一人だ。
彼の遺作のこの作品は トム・クルーズとニコール・キッドマン
の二大俳優が演じた
R18の問題作だった。今回DVDでじっくり見た。159分という
長丁場を感じさせない
筋運びは流石監督だ。


公開当初はキューブリックが自ら語ったという「この作品が
私の最高傑作だ」との言葉が
広く流布され、ビデオソフトの解説などにも引用された。

一方で、死の2週間前にキューブ...リックからの電話を
受けたという友人で俳優の
リー・アーメイが、その電話でキューブリックは
「『アイズ・ワイド・シャット』は、
クルーズとキッドマンが滅茶苦茶にした完全な矢敗作だ」
と語っていたと2006年に
発言している。僕はこの言葉を信用しない。

なぜならこの映画は実に見事な秀逸作であり
2人の俳優を毀めるどころか見事な演技に惚れ惚れさせるからだ。
2人の美男美女を巡る二晩か三晩の出来事を通じての夫婦の
危機を描いたこの映画、
最後夫が告白する奇妙な出来事に妻は赦すどころか

＜私たちはこの状況に感謝せねばならない。


I think we should both be grateful that we have 
come unharmed out of
 all ouradventures, whether they were real or 
only a dream.＞と語る、
あの灰汁の強いキューブリックが自分の死を予感していたと
しか思えない大らかな
人生の着地点の境地を感じて感動する場面だ。

以下スクリプトを原文でお贈りする。
このスクリプトに欠けている大団円の最高の台詞は
＜そして夫婦の絆を確かめ
合うために、今すぐしなければならない大事なことがあると
いう。
「それは何だい」と聞くビルに、アリスは言った。「XXXX」。＞
 

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