西岡参議院議長の論文ー2 (産経ニュースより) | 護国夢想日記

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 日々夢みたいな日記を書きます。残念なのは大日本帝国が滅亡した後、後裔である日本国が未だに2等国に甘んじていることでそれを恥じない面々がメデアを賑わしていることです。日本人のDNAがない人達によって権力が握られていることが悔しいことです。

【西岡議長論文】


国難に直面して、いま、民主党議員は何をなすべきか
2011.7.12 18:28 (3/7ページ)



5.支離滅裂な菅首相の原発政策


 日本では、現在ある「54基」の原子力発電の内、平成23年6月末時点で、「17基」しか稼働していません。定期点検中の原発は、再開困難であり、いま稼働している「17基」が、定期点検に入ったら、前記のように、日本は、全電力の約26%の電力を一気に失うことになります。

 この一文を書き始めた6月30日、定期点検を終了した九州電力の玄海原発の再開について、佐賀県知事と地元の町長が承認した、とのニュースに接しました。

 九州電力の電力需給逼迫(ひっぱく)は、浜岡原発からの60万KW(毎時)を失って以来、厳しいものがありました。

 ところが、原発再開という難題を海江田経済産業大臣が、地元の説得に成功したかに見えたその時、菅首相は、またもや、突然、「ストレステスト」の必要性を言い出し、海江田大臣の努力は水泡に帰しました。

 なぜ、菅首相は、海江田大臣が玄海原発の地元に説得に行く前に、その方針を出さなかったのか、理解不可能です。

 このように、自然エネルギー推進の道筋と段取りを説明せず、菅首相は、「脱原発」という単純な問題提起で、誤魔化(ごまか)そうとしても、全くの「まやかし」であることは、すぐに証明されることになりました。

菅首相は、「ストレステスト」を言い出したタイミングの悪さに批判が集中するや、なんと、7月8日には、定期点検後の原発再稼働時の場合は、「簡易テスト」という方針を打ち出したのです。

 この方針の中身には、新規に建設した原発、事故を起こした原発の再稼働時、建設後長期になる原発については、本格的な「ストレステスト」を行うことが書かれています。

 「本格的なストレステスト」の内容とはなにか、「簡易テスト」とはなんなのか、菅首相がお分かりのはずですから、自ら、国民の皆さんに、ご説明になる責任があります。

 6月29日、東京電力の供給量約4900KW(毎時)の93%まで、電力消費量が上昇しました。現時点で、東京電力の最高供給電力量は、約5500KW(毎時)前後と思われます。

 日本列島は、6月末から、既に、猛暑、酷暑に襲われています。

 この夏のみならず、日本全国の一年を通じた電力需給を、菅首相はどう考えておられるのか、これも、国民の皆さんに説明される責任があります。

ところが、菅首相は、脱原発を金科玉条の如くスローガンにして、一方で、定期点検が終了した佐賀県玄海原発の再稼働について、県と地元の自治体を説得に行ったのは、海江田経済産業大臣でした。原発エネルギーについて責任を持つ海江田大臣に、十分な相談もなく、停止させた後の対策と他の原発への対応も全くしないで、菅首相が、浜岡電発の停止要請をしたことは、周知の通りです。

 菅首相が「脱原発」担当で、海江田経済産業大臣が、至難な「休止中の原発の再稼働要請」担当とは、一体如何(いか)なる政府か、と思わない国民はおられないでしょう。


6.電力使用制限令の発動


 7月1日から、菅内閣は、東京電力と東北電力管内に、電気事業法に基づく電力使用制限令を発動しました。 

 私は、ここに至るまで、この事態を招いた菅首相がどれだけ制限令回避の努力をされたのか疑問に思っています。

 3月の下旬頃から、私は、天然ガスを燃料とする小型のガスタービン発電機などを数多く設置することや、水力発電に余裕はないのか、などを記者会見を通じて公に提案してきました。

 菅首相は、ご自分の場当たりな浜岡原発停止要請が、今回の制限令に直結していることを自覚されているのだろうか、と私は思います。

そのことが、大口需要企業を苦しめ、日本経済回復の勢いを削(そ)ぐ事態になっているのです。