お笑い芸人三拍子高倉陵の脳と身体の中に流れている血を作ってくれた
心の師匠が何人もいる。
ダウンタウン、タモリ、ビートたけし、笑福亭鶴瓶、爆笑問題、手塚治虫、The Beatles、etc....(敬称略)
もちろん皆様お会いして何かを学んだわけではないが、テレビや本等で影響を受けて自分もこういう人間になりたいなと思わせてくれ、亡くなっている方もいるが、常に自分の何百キロも前に「大きな目標」として鎮座して、様々な事を教え続けてくれる。
そんな俺の心の師の中の一人に
みうらじゅんさんがいる。
正直何者かは昔からはっきりとはわかっていないが
小学生の頃からみうらじゅんさんのやる事にはまり続けている。
まずハマったのは「VOW」
まちの変な看板や、新聞の誤植や素人の変な文章、などを集めた写真集で
今はネットなどで集めればすぐ拡散されその画像も誰がとったかわからないものになるのだが、
当時みうらじゅんさんはそれを集め、全国の読者に呼びかけて集め、コメントを入れて書籍にしていた。
小学生の俺は親戚の集まりでVOWを購入。
とんでもなく面白くて爆笑したいのだが
暗い性格だと思われていたので必死で笑いを堪えていた記憶がある。
このアメブロで高倉がやっている
「PHOTけないよ。」というコーナーはまさにその血が流れているからやっている。
東京に来た時に莫大な看板があってこれはVOWれると思い、そこからは街を歩くときや旅行や仕事先は常に看板や落書きに目をやるようになった。
ライフワークになっている。
最近はあまりやっていないのだが高倉の収集癖も大きく影響を受けている。
中3から専門学校卒業までは缶コーヒー集めをやっていた。
去年65駅ドラゴンボールスタンプラリーを一日でやるという事も、
立ち喰い蕎麦に異常なハマり方をするのも
みそについて異常なハマり方をするのも
シャッターのアートを集めるのも
ない事を探し続けて
みんなに見てもらいたいという
欲があって
SNSやYouTubeでどれだけの人に発表出来るのかを、考えているのも
どれもこれも
漫才、お笑い芸人としての技術や意識の他の部分は
全てみうらじゅんさんの血が流れているんだ。
改めてそう感じ、
そしてそう感じた瞬間、あまりにも師匠が大きく、俺は何もかも甘い、お釈迦様の手の上だった事を気付かされた
そんな展覧会に
昨日行ってきた。
それは
川崎市市民ミュージアムで行われている
『MJ'sFES』みうらじゅんフェス。
みうらじゅんさんが産まれてきてから今までのこしてきたものを
惜しげも無く
もくもくと展示、紹介するというもの。
本人もVTRで言っていたが
「なんの展示会なのか?いったい何がいいたいのか?」
序盤まで本当にそう思った。
しかし途中から神社仏閣を巡るような、やった事ないが四国四十八箇所巡礼をするような、感覚に陥り、
ひとりの「なにかの天才」の人生を追っていくことによって
何故人間は生きているのか
まで考えさせられた。
子供の頃のクリティの高い肩たたき券の展示、
漫画をひたすら描く、怪獣スクラップ、仏像スクラップ、をとにかく異常なまでやる。
高校生からはギターにはまり、1日4曲を自分へのノルマとして作り、プロのミュージシャンよりも持ち歌がある。
美大時代
イラストレーターにもハマり膨大な量の絵や漫画。
それを60歳になってもとっていて展示をする。
全てのものに異常なまでに執着。
やりすぎてひかれる。
しかし根本にあるのは人に楽しんで貰うためにやっているという
エンターテイメントな人間。
そして全てやってきた事を未だにアップロードしてやり続けているらしい。
展示物の量に
あっけにとられ
俺は何をしてきて
何を残してきたのか
そう自分のやってきた事を思い返して
涙がでそうになった。
でも今からでも遅くない。
好きなことを人を楽しませるに昇華して
異常なまでやってやってやりまくる。
みうらじゅんさんの凄いところが
こんなに凄いことをやっているのに
「何一つ大変そうに見えない」
ここが重要。
自分の好きな事をしているのだから
ツライ、シンドイはないのだと思う。
もしやめたかったらやめればいいのだから。
だからいつも、ひょうひょうと面白い事をやり続けられているのだなと。
俺も誰に頼まれて漫才やっているわけじゃないし、単独ライブをやっているわけじゃない、音楽作っているわけじゃないし、味噌にハマっているわけじゃない。
好きだからやっている。
ひょうひょうといろんな事を
人を楽しませる為にやっている。
そんな事を改めて確認できた展示会だったな。
般若心経をまちの看板の文字で作り上げたもの
集めきるというパワーと執念。
甘え坊主。
へんじく。
変な掛け軸。
土産屋さんにうっているひょうたんの人形。
和フィギャア。
お土産屋さんにある誰も買わないような物を(いやげもの)を「俺が買わなきゃ誰が買う」という使命感で集め続けている。
ゆるキャラブームの火付け役。
フェロモンレコード。
飛び出し坊や。
SINCEブーム
看板にあるSINCEの虜になって
年代順に集めている。
冷蔵庫に貼る水道関係のマグネット集め。
普通にしていたら何の価値の無いものを
みうらじゅんさんが面白いと思うことによって価値が生まれる。
でもみうらじゅんさんは価値を産もうと思ってやっているわけじゃなく
ただ面白い、
愛おしいと思ってやっているだけなのだ。
師匠、
フェスをひらいていただいて
ありがとうございました。
いやぁ、
いけて良かった。