2023.10.16更新

美容医療セミナー(東京)参加

日曜は早朝5時半起きで前日の仕事の残務を片付けて、6時半すぎの電車に乗って、8時ちょっと前名古屋発東京行きの新幹線に乗りました。こんな早朝でもほぼ満席だという新幹線には驚きました。雨模様だったのですが、名古屋ではそろそろ晴れて来るかというころだったのですが、なんと東京に着いたら大雨ザーザーでした(午後にはキレイに晴れました)。

東京は浜松町で開催された、トータルアンチエイジングセミナーというのに現地参加してきたのです。ちょっとした学会のムードでした。

今回の目玉というか、個人的に現地に見にいこう、と興味をもったテーマは、ずばり、ほうれい線やほほのたるみ治療についてです。

コロナの時期に、予想通りというか、シミやたるみなど美容医療へのニーズが高まったという事実がやはりあったそうで、しかもこれからは、シミ治療もそうだけれども、表情筋がマスク生活や自宅ワークなどによって衰えたためなのか、たるみ治療のほうへニーズが盛り上がっているとのことでした。

そこで、まず今回の講演で解剖学的に重要なSMASという、言ってみれば顔の表面の薄い筋膜、これが実は年齢に伴い菲薄化し、たるんでしまうということについて学びました。つまりこのSMASへの熱治療のアプローチが治療の本質なのだ、と。

美容形成では糸でリフトする治療も当然やられているわけですが、非侵襲的な治療ということでは、現在では主としてラジオ波系、HIFU系のだいたい2種類に分類されます。フォトやレーザー治療でも表面のスキンタイトニングは可能ですが、たるみとりとなると光治療系では限界があります。

ラジオ波系では各社いろいろでていますが、当院でいうと、ペレベやエクシリスになります。そしてただいま準備中である新世代低侵襲タイプのHIFUが当院ではウルタイトになります。

今回の講演ではこの、ラジオ波系とHIFU系との作用機序と効能の違いについて、かなり勉強になりました。HIFUでは一番高額で先駆的な位置づけとなっているのがウルセラという機種で、治療効果がこの系では一番強く、神経障害のリスクもわずかではあるがあり、麻酔も必要なことがあるタイプで、当然高額なものです。第一線で専門でやられている院所ではこちらが主役として使われているようです。

ラジオ波では直接伝播式に熱が広がるのに対して、HIFUでは超音波のピンポイントの照射により皮下組織にドット式に多数箇所打ち込んで、熱変性をもたらす仕組みです。理論的には神経に効かせないかぎりは熱さや痛みは出ないものです。効き方が異なるので、この二種類の機械をもっている院所ではたるみ治療にはこの2種類を併用することが多いそうです。HIFUは治療直後に違いが分かるのが面白く、なおかつじわじわ効いてくる効果ももちろんあります。よって、費用も相対的に高くなりますし、また、3から6か月毎で良し、というものです。ラジオ波についてはやった直後にはさほどは分からないが徐々に効いてくる、そしてHIFUよりはちょっと頻繁にやるべきか、といった違いがあります。

ちなみに、HIFUという言葉は美容皮膚科で発祥したものの、実際にこの言葉が広く認知されるようになった理由は違法模造品のHIFUをエステで広くやられるようになった結果のようです。そしてとうとう健康被害が多発し消費者庁が動いたため、現時点ではもうエステでHIFUをやることはできなくなっているそうです。今回そのことは初めて知りました。

ラジオ波はたるみ取りに加えて、脂肪を減らす作用も併せ持ちます。HIFUは脂肪減らしには効きません。むしろ引締めやリフトアップ目的となります。よって併用価値もあるわけです。やせた人にはむしろHIFUがお勧めになろうかと思います。当院ではこれまで高額すぎて手がでなかったのと、健康被害の懸念もあり、導入していませんでしたが、このほど新世代の低侵襲の比較的安価のものがでたのと、健康被害は基本的に医療機関からでたものではなく、エステでの問題だったと判明したので、導入に至りました。実際に身内で試してみると、なるほどやった直後に左右で比較すると明らかに違いが分かります。面白いです。

この新しいタイプのHIFU,まだ身内でさらに検証してからとなりますが、施術費用は初回16500円(税込)、以後22000円(税込)となる予定です。施術時間は両頬で10分ほどはかかりそうです。費用についてはこれでも医療機関のHIFUとしてはおそらく一番安いのでなかろうかと思います。当院はこの手の美容医療が全体に安いのは、あくまでも常連患者さんへのサービスの一環として提供しているからです。