精神医学関連の教科書に登場する
ビアーズ(1876~1943)は、
精神病院に入院した自らの体験を書き、
精神医療の劣悪な実態を世に知らせた。
(邦題は「わが魂にあうまで」 星和書店)
この本は、その当時ベストセラーとなり
精神病院の環境改善を求める運動のきっかけとなった。
(以下は本文より引用⤵)
病棟には充分に自制のできない患者が多数いました。
彼らは・・・何度も何度も悪辣な虐待を受けていました。
精神的にあまりにも弱っていて
自分に必要なものさえわからない患者は、
看護士の世話が最も必要だったのですが、
まさにその無力さゆえにたびたび虐待されました。
新しい看護士が来た・・・
彼は医師になるために勉強していました。
はじめのうち彼は
患者たちを親切に扱っていたのですが、
やがて残酷になっていきました。
残虐な環境によるものでしょうが、
直接には三人のとくに残酷な看護士の態度によるのです。
三人の看護士は、彼が患者に示す思いやりを
臆病だと言って嘲笑していました。
彼はただ自分に勇気があることを示すために
患者を虐待し始めました。
(引用おわり)
ビアーズの死後100年以上経つが
精神科での虐待が今もニュースになる。
精神科ではもともと面会を制限する病院が多かった。
今はコロナで面会が出来ない医療施設がほとんどだ。
患者の訴えは、精神科に限らず
きちんと取り上げられているのだろうか?