私は昔、近代経済学の”ミクロ”経済学と”マクロ”経済学を学びました。

ミクロ経済学

ミクロ経済学は、アダム・スミスの「国富論」1776年

「神の見えざる手」とは、アダム・スミスが自身の著作で用いた言葉(概念)です。 具体的には、”市場経済においてそれぞれが自己利益を追求すれば、”見えざる手”に導かれて社会全体で適切な資源配分をできるため、社会の繁栄調和につながる”という考え方

 英国が市民革命~産業革命。ヨーロッパは市民革命、アメリカは建国の頃

〇合理主義の時代 

 ヨーロッパでは宗教や信仰の関心 

                                                  → 自然科学への関心

〇自由主義

 自由主義またはリベラリズムとは、市民革命時代から由来している市民的・経済的自由と民主的な諸制度を要求する思想、立場、運動であり、自由と平等な権利に基づく政治的・道徳的哲学である。

 

 見えざる手、市場の競争により決まる価格、まずは、”為替”について考えていきます。

 最近の円安、そもそも、円の価値は何で決まるのか?

 日銀の政策の影響は大きいですが、

 基本的には、日本の経済力、ファンダメンタルズで決まると考えています。

 円が安くなるということは、日本の経済力が低下すること

 2013年~アベノミクス開始

(3本の矢)①大胆な金融政策 ②機動的な財政政策 ③民間投資を喚起する成長戦略

 

 円の実効為替レート 2020年=100    

(ドル/円:名目) 112円/ドル 

2011年10月   (ドル/円:名目)75.5円/ドル(最高)

2013年12月   90.2  

                          (ドル/円:名目) 100円/ドル超え 

2024年 3月  70.94  

                          (ドル/円:名目) 151円/ドル

 ※ 2020年のコロナショックから

        実質 約30%低下 名目ドル/円は 約40円安

 

 現在の円安の主原因としては、日米の金融政策による金利差が指摘されている。

 日本はデフレと物価高(資産インフレ)が同時進行している、いわゆる、スタグフレーション。にもかかわらず、緩和的金融政策をいつまでも続けている。

   つまり、日銀は物価高を抑える気持ちはない。

 

マクロ経済学

 マクロ経済学とは、「巨大な(マクロ)」視点で政府、企業、家計を一括りにした経済社会全体の動きを学ぶ経済学です。

 マクロ経済学では、モノ(財市場)・ヒト(労働市場)・カネ(債券・貨幣市場)が循環しているものとして考えます。

 私は歴史的に世界経済は、景気循環を観ていくことが大事だと考えています。

 

〇景気循環

・キチンの波(短期:約4年)在庫投資

・ジュグラーの波(中期:約10年)設備投資

・クズネッツの波(長期:約20年)建設・インフラ投資

・コンドラチェフの波(超長期:約60年)技術革新

 

バブル崩壊後の日銀や政府の対応

〇バブル経済崩壊後、山一証券や北海道拓殖銀行等の破綻を受け、日本政府は金融システム危機を未然に防ぐため、1992年(平成4)から合計51兆円の公的資金を投入。 預金者保護、金融機関の資本増強、金融機関の保有株式や債権買取りなどに使用された。 このうち最低でも約10兆円は回収できずに損失となることが確定しており、最終的に国民が負担することになった。

〇バブル崩壊後、約20年間、円高不況に見舞われた。円高のため、生産性が高い優良企業は直接投資で海外に進出し、国内産業の空洞化が起きた。日本の産業構造は輸出主導ではなくなった。

〇2013年アベノミクスによる異次元量的金融緩和が始まった。

2015~2016年原油先物価格約100ドル→40ドルに下がった。(米国のシェール革命の影響?)

2016年~日銀がマイナス金利導入

2020年 コロナショック

     政府の現金バラマキ 異次元財政支出

 

2024年 マイナス金利解除するも、緩和政策は継続

     日銀が大量の国債や株式(ETF)を保有している。副作用大きい⁉

 コロナショックの影響が大きいですが、日銀も政府も大盤振る舞いの金融・財政支出。

 量的緩和の蛇口は開きっ放し、財政赤字も垂れ流し 効果のほど疑わしい!?

 日本の借金額はどんどん増えて、1,000兆円を超えています。

 金融正常化も財政健全化も遠い未来❓❓❓

 アベノミクスの当初の量的金融緩和は長いデフレからの脱却に有効だったと思いますが、2015~2016年の原油先物価格暴落時に正常化していれば良かったのでは⁉

石油価格の下落はGDP的にはマイナスでも、経済にはプラスだったはずです。

 

今後の日本経済への提言

(増田幸弘さん著書の『失われた時、盗まれた国』

    のバブル時代激動の時代を金融業界で生きてきた

                    ”笹子善充さん”の言葉を参考にします。)

 

 

 

《改善すべきところ》

「日本の社会には非効率的不合理なところがたくさんある」

 日本的経営~新規学卒一括採用、年功序列賃金、終身雇用制度、企業内組合、

 価格据え置き慣行、賃金の抑制、企業内失業、正規社員をなかなかやめさせられない、など

 

「ビジネスでも常に創意工夫で、アイデアを提案して実現していくことが重要。」

「既存のやり方にとらわれず、他に先駆けて実現できれば効果は絶大。」

 日本の強みのモノづくり、改善、技術革新

 

「世界のいいところを学ぶことからはじめるべき。」

規制緩和税制改革」「海外から人やモノ、お金が入ってきやすい環境づくり」

 まさにアベノミクス3本目の矢 

                                    ~ 民間投資を喚起する成長戦略

 世界基準の採用、企業の国内回帰、外資の受入れ、規制緩和、

    移民の積極的な受け入れ

 市場介入を控え、見えざる手(市場の調整機能)の活用

 

 これからは自分の考え

 繊細なモノづくり(工業製品・素材・食等)

「日本文化の美徳」を生かす

 もったいない精神、質素倹約、

    自然に抗わない相互扶助

 

 これからも自分の考えです。

〇日銀の金融政策

 景気循環に合わせて、効果を検証しながら、短期的な必要最低限の金融緩和・引き締めを行う。

〇政府の財政政策

 小さな政府で財政を健全化し、プライマリーバランスを達成する。

 市場の調整機能を最大限に生かし、介入は極力少なくしていく。

 ただし、IT(AI)などの新しい分野では、公序良俗に反しないように、最低限の規制は行っていく。

〇脱成長経済

 マクロ(GDP)の成長よりも住みやすさ、生活のしやすさ、心の豊かさを目指す。

 

(参考)新自由主義

「ネオリベラリズム」(en:neoliberalism)。 1930年以降、社会的市場経済に対して個人の自由や市場原理を再評価し、政府による個人や市場への介入を最低限とすべきと提唱する経済学上の思想。 

 

 

「道」とは、物の道理。ことわり。

 また、人として踏まなければならないとされる行動の筋道。