『失われた時、盗まれた国』
最近の私の推しの一冊です❣❣❣
特に学生さんなどの若い方に読んで欲しいです❣❣❣
Amazonでも、手軽に買えますよ👍️
この本の冒頭、ショッキングな「この国はもう、私の生まれた国ではない。国ごと盗まれてしまったのだ」で始まる。
「失われた30年」「自己責任」「新自由主義」
日本社会には多くの暗い闇。
不寛容で意地悪な、だれも幸せにならない社会…
高度成長期
北九州市の公害
埼玉銀行
ジュリアナ東京
山一証券破綻・謝罪
日本の国際競争力推移
※なお、上記の写真は、私がネットから引用したもので、本とは直接の関係はありません。
◎主人公の笹子善充さん。1961年東京生まれ
埼玉県所沢市で育つ。
1985年に埼玉銀行に入行。1988年に為替ブローカーに転身。
1998年にFX会社(為替ドットコム)設立に参加。
2006年~シンガポール 2007年~香港在住
バブル、金融自由化、ITバブル ~グローバル経済へ
一人の金融マンの生きざまを追い、激動の金融業界のウラ側から「失われた30年」と呼ばれる時代の正体を探った1冊❣❣❣
私は常日頃から、社会を知るのには、世の中の金融や経済、お金の流れを知るのが一番だと思っています。
しかし、金融業界(社会)の裏側、闇の部分はなかなか知ることができません。この本でそれを知ることができ、興味深く読み進めることができました。私の好奇心のニーズのまさにど真ん中、ピッタリでした😆✨
まさに、学校の教科書では習わない”生きた学問”といったところでしょうか⁉
この本は後日、東京経済大学の学生さんの授業でも使用され、その記録が製本・販売されています。
◎著者の増田幸弘さん。1963年東京生まれ
フリー編集者・記者 早稲田大学第一文学部卒業。
現在、スロヴァキア在住。
《感想など》
〇金融バブルが膨れ上がり、その後、バブル崩壊。それから「失われた30年」 正直、”その裏で、こんなことが起こっていたとは…” とても驚きました。
〇バブルやその終わりは、当事者にはわからない。それまでの経済の値上がり神話を疑わず、楽観姿勢を崩さず。
しかし、現実は無情。多くの人がその後、倒産やリストラなどを理由に、自ら命を絶ったこと、とても辛い気持ちで読みました。
〇また、増田さんの緻密かつ詳細な取材力にも驚きです。経済の事は”門外漢”。それゆえ、出来るだけ多くの人に話を聞き、多くの資料に目を通し、客観的な事実に近づく。(印象や偏見を排除するためには、)しっかりした準備。伝えたいことを絞り、そこにいろいろな方向(視点で)から光を当てる。
〇主人公の笹子さん。父親や教師等の先人の教えに素直に耳を傾けながら、この激動の時代を自分を信じて真摯に生き抜いてきました。リアルな想いや行動が時代の熱量そのままに、描かれています。
増田さんが描く人物は、いつも、リアルな生身の人間。読み手に強烈なインパクト、説得力で、大切な何かを気づかせます。
〇後日、学生さんの授業で、笹子さんが語った言葉が気になっています。
「経営者が新商品の研究開発や従業員の待遇改善より、コスト削減による業績改善へ走る傾向があるので、働く人のやる気もなかなか出ません。」
「ビジネスでも常に創意工夫で、アイデアを提案して実現していくことが重要。」
「既存のやり方にとらわれず、他に先駆けて実現できれば効果は絶大。」
「世界のいいところを学ぶことからはじめるべき。」
「規制緩和と税制改革」「海外から人やモノ、お金が入ってきやすい環境づくり」
「日本の社会には非効率的で不合理なところがたくさんある」
この言葉は、これからの日本の将来に向けての大切なヒントと受け止めました。
〇著者の増田さんの言葉。
『経済不況が続く「失われた30年」と呼ばれる時代がどのようにして生まれ、その間なにがあったのかをバブル崩壊後に生まれ育った世代(いわゆるZ世代)に伝えたかった。』と、秘めたる熱い想いを語られています。
「自分で考える習慣をつけることが大事」「学生の時に多くの読書や経験を」「人と人の絆や情愛、人を信じる気持ちは何よりも失ってはいけない。そのためにも人を見下したりせず、誠実でありたい」「(豊かさを)取り戻すのではなく、築き上げると考えて前に進めたときにはじめて、何かが始まる」
《最後に》
著者の増田さんとは実際にお会いしたことはないのですが、
2年ほど前に、ネットで、沢田聖子さんの週刊女性「人間ドキュメント」の記事を読みました。
後日、今SNSで交流いただいている関東の女性SHOKOファンの方から増田さんが著者であることをお聞きしました。
私は当時、自ら早期退職、離婚を経験するも、自分が思い描いたようにはいかず、これからの自分の人生の方向性を見失っていた頃でした。この記事に感銘しました。
SHOKOさんの言葉に元気づけられ、大げさかもしれませんが、前向きに生きる意欲を取り戻しました。この記事にはとても感謝です❣
今、増田さんとはX(旧Twitter)でフォロー・交流させていただいています。
それから、奥さんの出身が私と同郷と知り、ビックリしました。