⦿わが街

 私が住んでいる北九州市は”中高年が住みたい都市”の上位によく選ばれます。

 理由の一つに医療機関・介護施設の充実があると思っています。

 乳幼児から高齢者、障害児・者の医療機関、障害者・介護施設が多い。

 

⦿父の闘病・介護

 私の父は4年前、享年86才で亡くなりました。昭和ひと桁生まれ、仕事一筋、その上酒乱でした。

 70才の頃、腰・両足の痺れを訴え、脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアとの診断を受け、入院・手術を受けました。

 退院後、物忘れがひどくなり、その後、要介護認定を受けました。死ぬまでに診断された病名は、高血圧症、認知症、慢性腎不全、硬膜下血腫、前立腺がん、腰椎圧迫骨折など、入院した病院は市立医療センター、小倉記念病院、新小文字病院、市立門司病院等。

 要介護認定後、デイサービス通所の話をするも、

世話逃れをするんか?と大声で叫び、

俺はそんなとこ行かん❣と抵抗しました。施設に入れられると思ったみたいです。

 家族同席のもと、主治医に受診し説得してもらいました。うちの父もドクターには弱い。

 施設見学もさせ、いざその日になり、お迎えが来ました。

 予想外、あっさり通所。施設では生き生きしていたみたいです。施設はあえて小規模の施設を選びました。男という生き物は、やっぱり女性が好きです。特にうちの父はいつもは無口なんですが、側で見るのが恥ずかしいほど、介護士や看護師の前では態度が変わります。

 

 元々父は自立歩行できましたが、ある時、歩行がふらつく様になり、主治医の紹介で、(急性期)の病院でCTを撮りました。「硬膜下血腫」との診断を受け、即入院となりました。

 担当ケアマネに連絡し、区役所で(低所得者の)医療負担・食費の減額証の手続きをしました。

 病院は救急がある急性期病院のため、急性期治療が終わると退院しなければなりません。

  まずは、その病院のMSW(メディカルソーシャルワーカー)に相談したところ、リハビリができる病院への転院を勧められました。

 リハビリの病棟は2種類あります。

①  回復期リハビリテーション病棟

 対象疾病があり、その疾病により入院期間が違います。

②  地域包括ケア病棟 (60日間)

 急性期病院で症状は改善したものの、すぐに自宅や施設へ退院することに不安を感じる患者、レスパイトケアなどに対し、在宅復帰に向けて診療・看護・リハビリを行うことを目的とした病床です。

 

 父は地域包括ケア病棟を勧められ、ケアマネの勧めもあり、市立門司病院に決めました。

 

 

 MSWの方も優しく、病棟のスタッフ ~ 看護師や理学療法士(PT)の配置、リハビリの内容も充実していました。退院前の会議やPTによる自宅訪問等も、とても良かったです。万全の態勢で退院できました。

 

 無事退院。

 

 しかし、数日後、父はベッドで背中を押さえ、悶えていました。

 救急搬送。また、前回の急性期病院に入院。

    腰椎圧迫骨折。  またゼロから…  

 

 門司病院には(詳しくは書きませんが)大変迷惑をかけたので、別の病院の地域包括ケア病棟に転院しました。その病院は放任主義?病院によってケアは違います。

 

 

⦿私の介護に関する考え

〇私は市役所で行政職員として高齢者・介護保険関係の仕事を10数年していました。期限が切れましたがケアマネの資格も持っていました。しかし、介護のスキルはありません。

〇日本の民法では、私と父には"扶養義務関係"があります。それでは、私は父の人生にどれほどの責任があるのでしょうか?    アドラー心理学で言えば、父の介護は”父の課題”です。

 

 

〇餅屋は餅屋。私には介護の技術はありません。父の世話をしているとすぐ感情的になり、声を上げていました。父は介護は家族にしてもらうものと思っていました。誰だってそうですが、自宅で生活をしたい。私には介護ができないので、父にとっても、嬉しいものではなかったと思います。やはり介護は専門家にしてもらった方が良い、これが私の結論です。

 子どもの私にもこれから先の人生があります。それを第一に考えます。

 

 最終的に、私は、父を認知症専門の介護老人保健施設に入所させました。父にとって最期の住みかとなりました。

 妹は不満だったかもしれません。しかし、妹は仕事で昼間はいません。デイサービス以外は私が世話をしないといけないのです。 

 幸いにも、コロナ渦前だったので、面会も制限がなく、酒は持っていけませんが、妹がよく、父の好きな甘いものを差し入れに行っていました😊 私は父を憎しみ、わだかまりがあったのですが、施設からの呼び出しだけでなく、時々顔を見に行くまでになりました。

 

 今、私は84才の認知症の母、妹と同居しています。介護(デイ)サービスって本当にありがたい制度です❣

 

 世の中には、親の介護で悩んでいる方って、結構多いのではないでしょうか⁉

    本人は他人の世話にはならないと言うかもしれません。しかし、専門家に相談すれば、いろいろなアプローチで、上手に介護サービスに誘導してくれます。

   自分ひとりで抱えてしまわないように、遠慮せずに賢く、周りの人の力を借りましょう。

 

参考までに👍

※ 市(区)役所等の手続きや相談窓口

〇病院では、まず、主治医に病状を詳しく聴く。病名や今後、後遺症(障害)が残るかどうか、リハビリが必要かどうかはとても大切なポイントです。障害の程度は身体障害者手帳に該当するかも聴いた方がいいです。手帳がもらえると、程度により福祉の制度が受けられます。また、要介護認定の申請が必要かどうかも確認し、必要な場合、主治医の意見書の作成依頼もしておいたらいいです。40~64才でも脳血管疾患等の特定疾病があれば、申請はできます。手続きは住所地の役所です。

〇入院中の病院の相談窓口はMSW。退院後の在宅生活が不安な場合は、専門職員(保健師、主任ケアマネ、社会福祉士)がいる住所地の地域包括支援センターに退院前に相談すればいいと思います。高齢者に関する様々な相談を受けてくれます。

〇入院費・食事代について、低所得世帯なら役所の国民健康保険(後期高齢)の窓口で医療負担・食費の減額証の手続きをすれば、精算時、上限額を超える料金は取られません。

 

  もしこの記事で心が少しでも軽くなれば、幸いです😊